米倉涼子(46)が10日、都内で、動画配信サービス、Netflixの主演ドラマ「新聞記者」(13日配信開始、全6話)ワールドプレミアに、共演の綾野剛(39)横浜流星(25)藤井道人監督と出席した。

19年公開の映画「新聞記者」を、キャストを一新しドラマ化。米倉は、政府による公文書改ざん事件を追う新聞記者・松田杏奈を演じる。主演だが「私を見て、というのは全くなくて。みんながどんな風に生きて、耐えて、夢を持って、一歩を踏み出すか。ドラマにしては上等すぎるんじゃないの? というシリーズドラマになっています」と手応え。鑑賞前の客席に向かって「見てくれるんでしょう? 息、飲んじゃうよ」と笑顔で語った。

米倉は配信ドラマ初挑戦で、藤井監督とは初顔合わせとなった。若いスタッフが多い藤井組では、「(自身が)最年長に近いくらいの年齢だった。なのに引っ張っていけない自分がいる」と悩みもあった様子。「きっとここにいる95%の人は、すごく元気で、強くて、パワフルな米倉涼子だと思っていると思うけれど、対照的な役をやっています。我慢した部分も多かったけれど、いい経験をさせていただいた」と振り返った。

組織の圧力と正義感との板挟みに苦しむ若手官僚・村上真一を演じた綾野は、「おいしいはずのご飯が、おいしくなくなっていく」と役柄同様に自身も追い詰められた様子。一方でそれを「ラッキーだと思ってました」と語り、米倉の「かわいそう」という言葉にも、「でしょう? でもそれをラッキーだと思う自分がいる」とストイックに語って笑いを誘った。

成人の日にちなみ、会場の若者からの質問コーナーが設けられた。自身の適性に悩む看護学生から「俳優に向いていないと思った時、どう乗り越えたか」を聞かれると、米倉は「この仕事が天職なのかとまだ確信したことがない」と明かした。その上で「自分に向いてないのかもと思ったことを、超えてやろう、くそヤロウ!と思いながら生きている。そういう思いがないと、次のエネルギーにならない。泥まみれになった方が、大人になってよかったと思える」とアドバイスを送った。

自身の20歳当時を踏まえつつ「若いうちにやりたいことに手を出して、間違えたと思ったらやめればいい。犯罪はしちゃいけないけど、何か始めないと始まらない。一歩出る勇気を持って」と呼びかけていた。