3月に世界最高齢でのヨットによる単独無寄港太平洋横断に挑む海洋冒険家の堀江謙一さん(83)が24日、西宮市の新西宮ヨットハーバーで、冒険を共にする「サントリーマーメイド3号」を米サンフランシスコに運ぶための引き渡しを実施した。相棒をトレーラーへ積み込む作業を見届けた後、堀江さんは日刊スポーツの取材に応じ、NHKの連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜午前8時)の自らの登場シーンについて、「反響の大きさにびっくりしている」と明かした。

1月10日放送の第48話では、当時23歳だった堀江さんが1962年、小型ヨット「マーメイド号」に乗り、西宮港から米サンフランシスコまで、太平洋の単独無寄港横断に世界で初めて成功したニュースが流れた。劇中の白黒テレビの画面にはサンフランシスコに到着した堀江さんの映像が映し出された。

約1年前にNHKから“出演”の許可を求める連絡があったといい、10日の放送について「チラッとみたんですけど、みなさんの反響がすごかった。あれだけたくさんの人が見てくれていたとは…。反響の大きさにびっくりしてます」。“カムカム効果”に驚いたという。

1962年の「太平洋ひとりぼっち」の航海から60年。83歳になった堀江さんは現地時間の3月26日にサンフランシスコを出発し、約2カ月半をかけて西宮港まで航海する予定。成功すれば世界最高齢での単独無寄港太平洋横断となる。

60年の節目の冒険と朝ドラの放送に「タイミングが出来過ぎでしょ! これはつながってないんですよ。偶然なんですよ。僕の(今回の航海の)計画も1年ずれている。結果として、うまいこといったな(笑い)」と豪快に笑った。【松浦隆司】