シンガー・ソングライター藤原さくら(26)が、清原果耶(20)主演のTBS系「ファイトソング」(火曜午後10時)で、萩原凛を好演している。清原、間宮祥太朗、Sexy Zone菊池風磨を中心とした“四角関係”を描いた、ラブコメディー。このほど、日刊スポーツのインタビューに応じた。

父親の影響で、10歳のころに初めてギターに触れた。ジャンルを問わず多くの音楽に触れ、高校進学後、オリジナル曲の制作をはじめた。憧れたのは、自身が苦戦したきれいな高音を響かせる、シンガー・ソングライターYUIだった。

「最初は自分の声が低いというのが、すごいコンプレックスでした。ギターを始めたころはYUIさんとかが大好きで、ずっと憧れていました。『もっとパーンと高い声で歌えたらいいのに』ってずっと思っていました。ボーカルスクールに通いたいと思って見学している時でも、『高い声が出したいんです!』って、先生にトレーニングをお願いすることが多かったです」

しかし、高い声ではなく、ありのままの藤原の声に魅力を感じてくれる先生に出会ったことで、世界がガラッと変わった。

「『あなたは別に高い声を出せるように頑張るんじゃなくて、今あるものを伸ばしていった方が絶対良いよ』。そう初めて言ってもらったのが、私が通ったボーカルスクールの先生でした。その時に、やっと自分の声が好きになれました」 今や藤原の唯一無二のスモーキーな歌声に、酔いしれるファンは多い。

「今活動していても、声のことを褒めてもらうことがすごく多いですね。『多分この声じゃなかったら、今やっていないかな』って思ったりすることもあって。だからようやくいろんな人に『いいね』って言ってもらって、好きになれた部分もありますね」

ミュージシャン、女優、その他でも、活躍の場を広げてきた。あこがれの人物には、YMOの細野晴臣や、Charaを挙げた。

「憧れの人はいっぱいいるんですけど、去年、私がすごく尊敬している細野晴臣さんのラジオに呼んでいただいて。その時に、『やっぱり、こういうふうな活動のしていき方をしたいな』ってすごく思いました。細野さんも、自分のその時興味を持ったことに全力投球で作品を残されてきた方なので。私もそういう年の重ね方をしていきたいです。アーティストとして『理想だな』って思う人に、去年はたくさん会えたんですよね。Charaさんも、同じ女性としてすごく理想的な活動をされています。こんな風にやっていけたら、歌っていけたらいいなって思う方たちに、仕事でいっぱい出会えたのは幸せな経験でしたね」

先日、作曲家でジャズピアニスト大野雄二氏のライブに出演し、SNSで「わたしも80周年目指そう」とつづった。

「いろんな目標があるんですけど、長く続けたいなってすごく思っていて。自分がおばあちゃんになっても、ちゃんとフェスに呼んでもらって(笑い)。でっかいステージで歌ったら、みんな若い人たちも『ワー』ってやってきて、『この曲知ってるー』ってアガるみたいな(笑い)。そんな人って、本当に一握りだと思うんですよ。俳優さんもそうだと思うんですけど、音楽の業界ってデビューできたとしても、長く続けるってすごく大変で。それをことあるごとに痛感するので、大好きな音楽だったり、表現を長く続けたいなーって思いますね。どんな形であっても」【佐藤勝亮】

◆藤原(ふじわら)さくら 1995年(平7)12月30日、福岡県生まれ。10歳でギターを始め、その後福岡のカフェやレストランでライブ活動を開始。15年3月「■ la carte」でメジャーデビュー。16年フジテレビ系月9ドラマ「ラヴソング」で女優デビュー。19年には、いのうえ歌舞伎「偽義経冥界歌」で舞台初出演を果たすなど、幅広く活動している。

※■=グレーブアクセント付きA小文字

 

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