乃木坂46の星野みなみ(24)が12日、東京国際フォーラムで行われた卒業セレモニーをもってグループから卒業し、芸能界を引退した。11年8月加入の1期生。最後まで同期や後輩、ファンからも愛されながら送り出され、10年半のアイドル生活に終止符を打った。

冒頭、10年前の12年2月発売のデビュー曲「ぐるぐるカーテン」を披露した。会場は、星野の好きな白のペンライトの光でいっぱいになった。直後のあいさつでキャプテン秋元真夏(28)が「みなみにとって乃木坂で最後の日が来ました」と紹介すると、早くも涙ぐんだ。星野は「泣くの、早い~! 泣かないの~!」と笑顔でツッコみ、場を和ませた。

心境を聞かれた星野は「寂しさはあるけど、緊張はないです。あんまり実感がなくて、不思議な気分。でも、真っ白なサイリウム(ペンライト)とかタオルとかを見て、実感してきました。ありがとうございます」と笑った。同期の樋口日奈(24)は「寂しいです。今日は絶対まだ泣かないって決めていたのに、ステージに出た瞬間、(客席の)女の子が泣いていてさ…」と涙した。

コンビで「あしゅみな」と呼ばれる齋藤飛鳥(23)は星野と2人で「制服を脱いでサヨナラを…」を披露した。普段はクールな齋藤も、間奏で珍しく涙で声を震わせた。「みなみとは、隣で歌ったり踊ったりしたことが1番多かったと思う」と言うと、涙をぬぐった。「この際だから、ちゃんと言おうと思って。ちっちゃい頃から、もっと頑張らないとなと思って、粘れたのも、いろんな形の優しさを受け入れられるようになったのも、みなみのおかげだと思う。本当にありがとう」と感謝した。星野も「飛鳥が泣いたせいで泣いちゃう」と涙した。

後輩たちとも一緒にパフォーマンスした。2期生の山崎怜奈(24)は「同い年なんだけど、みなみちゃんは妹感が強すぎて、『かわいい』が勝っちゃう。今日も舞台裏でモニターを見て『ああ、かわいい』って言っていました」と明かした。「無口なライオン」を星野と2人で歌った3期生の向井葉月(22)は「みなみさんがいなかったから、私はここにいないし、みんなとも出会えませんでした」と涙を流した。

アンコール冒頭、1人で登場した。「こんなすてきなドレスを着せてもらいました。もう大満足です」と言ってくるりと回り、笑った。「本当に皆さんの言葉のパワーってすごい、ってあらためて握手会とかライブとかを通して感じることができました。昔は自信がなかったけど、みんながたくさん『かわいいよ』とか『応援してるよ』とか言ってくれたから、自信がついて、自分のことが本当に好きになりました」とファンに感謝を伝えた。

この日をもって芸能界を引退する。「卒業とともに引退するということもあって、皆さんとこうして会う機会がなかなかなくなってしまうんですけど、今日、やっぱり1番好きなライブができて、本当に楽しかったですし、本当に後悔なく終われちゃうな、って思います」とほほ笑んだ。「これからは乃木坂を応援する側として、皆さんと一緒にいられると思うので、よろしくお願いします」と呼び掛けた。

11年8月、乃木坂46の1期生オーディションに合格。妹キャラでメンバーやファンからも愛され、「かわいいの天才」とも呼ばれた。ラストパフォーマンス後、客席のファン5000人がサプライズで一斉に掲げた「10年間 可愛いハートを ありがとう」と書かれたパネルを見て驚いた。「10年間すごく楽しかったし、本当にやり切りました。皆さんとこうして会えたことが楽しかったし、たくさんパワーをくれた人にいっぱい出会えて、感謝しかないです! 10年間、本当にありがとうございました!」と伝え、笑顔で締めくくった。