「ドライブ・マイ・カー」が作品、濱口竜介監督(43)の監督、西島秀俊(50)の主演男優など、優秀賞受賞の8部門全てで最優秀賞を獲得し、最多の8冠に輝いた。また三浦透子(25)も、正賞外の新人俳優賞を受賞した。

濱口監督は、最優秀監督賞のスピーチに続いて壇上に上がった。「ドライブ・マイ・カー」は、第94回米アカデミー賞で邦画初の作品賞と脚色賞(共同脚本の大江崇允氏も)、監督賞、国際長編映画賞にノミネートされており、山本晃久プロデューサーは27日(日本時間28日)にドルビー・シアターで行われる授賞式に備え、米ロサンゼルスに入っているという。同監督は、そのことに触れ「ありがとうございます。本来、作品賞ですので、山本プロデューサーが受け取るべきですが、アカデミー賞の関連行事に出るため今、アメリカに行かれていますので、代理で受け取ります」と説明。その上で「何よりも、関わった全てのキャスト、スタッフの皆さん、その方達を支えてくれた皆さんのおかげで取れた」と感謝した。

西島も登壇し「いや、何か…こうやって作品を評価していただいて、世界で見ていただいているのも、何か世界の大きな波みたいなものなのかなと思っています」と語った。その上で「とにかく平和が訪れるように…。人々が、また心の絆を取り戻せるように、心から祈っております。この作品が何か希望の光になる…そのために必要なものが何かに、耳を傾けることを伝えているのかな、というふうに思います」と切々と語った。

そしてスピーチの最後に、11年前のこの日、発生した東日本大震災について触れた。「今日は3月11日ということで、被害に遭われた方に哀悼の意を表しながら、いまだに苦労されている方、世界でいろいろ大変な思いをされている方に心を寄せながら…濱口監督の言う通りに、自分のやれることを精いっぱい、今後もやっていきたい」と、東北の被災地と世界へ向けてメッセージを送った。

優秀作品賞受賞作品は、以下の通り。

「キネマの神様」(山田洋次監督)

「孤狼の血 LEVEL2」(白石和彌監督)

「すばらしき世界」(西川美和監督)

「ドライブ・マイ・カー」(濱口竜介監督)

「護られなかった者たちへ」(瀬々敬久監督)