NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜午前8時)の第95話が16日に放送された。演者が村上虹郎から目黒祐樹に変わった勇が久々の再登場を果たした。

※以下ネタバレを含みます。

1994年(平6)夏、るい(深津絵里)は家族とともに三十数年ぶりに岡山の雉真家に帰省する。一家を出迎えてくれたのが、るいの伯父・勇だった。ところが、勇は感動の再会もそこそこに「今、ええところなんじゃ」と言うと、るいたちを手招きして家の中へ。居間のテレビでは夏の甲子園大会が放送されていた。

中継されていたのは8月10日の第3試合、1回戦の関西(岡山)-八戸(青森)。地元・岡山の関西の試合だけに、野球好きの勇が夢中になっているのも無理はない。京都西陣高校野球部3年の桃太郎(青木柚)もさっそくテレビにかじりつく。

勇 ワンアウト三塁か。チャンスじゃ、岡山・関西(かんぜい)。

るい 相変わらずやねえ。

桃太郎 ここはスクイズやな。

勇 おっ、分かっとるのお。

るい 息子の桃太郎です。野球部で。

勇 さすが、るいの子じゃあ! るいは野球の「塁」からとった名前じゃから(と、相変わらずの思い込み)。

このやりとりに視聴者がツイッターで反応。「勇ちゃんが相変わらずの野球大好きマンで安心した」「勇ちゃんの中身は全く変わってなくて良かった。桃太郎は勇ちゃんに気に入られそうだ」と盛り上がった。

勇は甲子園にあこがれた野球少年。旧制弓岡中では「4番サード」で甲子園を目指したが最後の夏は戦争で大会が中止。夢を断たれた。その後、東京の早明大でも野球部へ。しかし戦争でリーグ戦が中止。その後出征した。復員後、大学を中退し雉真繊維に入社。野球部をつくり、選手としても活躍。雉真繊維を実業団の有名チームに育てあげた。

試合は、桃太郎の予想通り、関西が3回にスクイズで1点を先制し盛り上がる。この日の放送では描かれなかったが、その後、関西は4-0で快勝。2年生エースの吉年滝徳投手が13三振を奪い完封した。同投手はプロ注目の大型左腕で翌年も春夏甲子園に出場。その後、ドラフト2位で広島に入団している。

ドラマの中の1994年夏の甲子園は、決勝で佐賀商が樟南(鹿児島)を破り初優勝。4-4の9回表、西原選手が決勝の満塁ホームランを放った。岡山の関西は2回戦でこの佐賀商に1-6で敗れている。