アンジャッシュ渡部建(49)が約1年8カ月ぶりに活動を再開した「白黒アンジャッシュ」で注目された千葉テレビ(チバテレ)をはじめ、独立系UHF局にはメジャーなタレントを起用した自社制作番組が存在する。キー局より自由度が高く、タレントの本音や素も垣間見える。新年度を迎え“横綱”ともいえるテレ玉「いろはに千鳥」が全国26局ネットに拡大する一方、他局では新番組も相次いでスタート。首都圏独立系UHF局のバラエティー番組の魅力に迫った。

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「予算、少ない!」

「ギャラ、安い!!」

「1回の収録で●本撮り…きつい!!!」

そんなセリフとは裏腹に、笑みを浮かべるタレントたち。雰囲気が緩いのも、自分が主導でキー局のような縛りもなく、いつでも帰ってこられる“ホーム”の安心感があるからだろう。

「いろはに千鳥」は、14年にスタートした千鳥の関東初冠番組だ。大悟とノブが街ブラしながらグルメを食べ、地域ならではの体験をしつつ、いろはカルタを当意即妙に完成させる。仲間の芸人ネタから2人の家族を絡めた私生活まで飛び出すトークも人気で、DVDは第13弾まで発売された。コロナ禍でスタジオ収録を余儀なくされる中、小針義史アシスタントプロデューサーは「ロケを再開してほしいという声をたくさんいただき(今年中に)再開を予定しています。10年目を目指し、放送は全国制覇できたら」と意気込んだ。

街ブラ企画ながら、人を掘り下げたドキュメントバラエティーを目指すのが、2日にテレビ神奈川(tvk)でスタートした「アルコ&ピースのほんの気持ちですが!」(ほんきも)だ。“ほんの気持ちで恩返ししていく”をコンセプトに1、2回は平子祐希が日本映画学校で学ぶ際に寄宿していた川崎市内にある福島県いわき市潮学生寮を、3、4回は酒井健太が地元近くの富士通スタジアム川崎(旧川崎球場)を訪問。2人の人となりに迫る。

藤井友美子プロデューサーは、立ち上げ直後の2人の様子について「『みんな、人を見たいんだよね』と言う一方で『もうちょっと、ボケた方が良いかな?』と方向性を考えています」と説明。その上で「平子さんの後編は、ロケに立ち会っても泣けてきた。キー局とは違い、素に近い感じはします」と力を込めた。

平子は番組立ち上げ時に「かかって来いテレ玉」とコメントした。藤井プロデューサーは「全国に伝わっていく番組を作りたい思いがある」と「いろはに千鳥」を意識していると明かした。一方、テレ玉の小針氏は「かかって来いtvkと言いたいところですが“ほんの気持ち”だけいただいておきます」と返した。

配信でも視聴可能な両番組が今後、どう交錯していくか…注目だ。【村上幸将】

◆自然体で続ける白黒アンジャッシュ◆

渡部がMCに復帰した「白黒アンジャッシュ」の制作陣が新年度を迎え、今後の方向性を明かした。司会の児嶋一哉(49)がゲストに近い位置に立つため、93年の結成から約30年、続けた立ち位置を、渡部が左に変更するなど改革を進める。ただ「渡部復帰で認知度は上がりましたが、これまで通りのスタジオ展開をメインに継続するつもりです」と継続路線を強調した。

TOKYO MXと三重テレビが放送を打ち切った一方、TVerで配信がスタートした。「これまで通り、あまり前のめりにならず自然体で続けていきます。打ち切りされた局さんも含め自然体がいい、放送したいと言ってもらえる番組にしていきたい」とした。

さまぁ~ずの三村マサカズが900回記念ゲストとして出演したが、今後も千原ジュニア、事務所の先輩オアシズ大久保佳代子と大物ゲストの出演が決まっている。「出ていただけるという芸人の方が多数いらっしゃいますので、ご期待ください」と呼び掛けた。

◆異彩を放つサバンナ高橋◆

TOKYO MX 「サバンナ高橋の、サウナの神さま」(隔週木曜午後9時25分)が異彩を放っている。MCのサバンナ高橋茂雄(46)がサウナでゲストと一緒に汗を流し、心身の距離を縮めた後に、人生が“ととのった瞬間”ターニングポイントを聞く。山本雅士総合プロデューサーは「100度のサウナ、15度の水風呂の中では、普段見ることのできないゲストの“素”の表情を見ることができます」とアピールした。同局の配信サービス「エムキャス」で同時&1週間見逃し配信で見ることが可能だ。

◆ダイアンが関東初冠番組◆

群馬テレビ 8日から「ダイアンのガチで!ごめんやす」がスタートする。ダイアンの関東初冠番組で、会いたがっている視聴者に直接会いに行く。初回では、父が津田篤宏に似ていると言われる20代女性から「会ってジャッジして」と依頼を受け、確かめに行く。11年から10年続いた「JOYのASOBU-TV JOYnt!」に代わってスタートする意味でも注目が高く、同局とタッグを組む吉本興業のBS局「BSよしもと」でも放送。