明石家さんま(66)が16日、宮城県石巻市で行われたプロデュースアニメ映画「漁港の肉子ちゃん」(渡辺歩監督)の上映会&トークイベント出席後に取材に応じ、作品の思い出などを語った。

取材は会見形式で行われた。昨年6月の映画公開時のイベントなどには登壇していたが、「こういう形はかなりぶりですね。大体断ったりしておりますので」と感慨深そうに語り「今、こういう感じで言いたいのは『STAP(スタップ)細胞はあります!』そういう気持ちです」と、かつて話題になった会見をまねて笑いを誘った。

同作は漁港の船に住む訳あり母娘・肉子ちゃんとキクコが紡ぐ感動のハートフルコメディー。国内外で評価されており、第49回アニー賞の長編インディペンデント作品賞ノミネート、第45回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞などを受賞した。さんまは受賞がかなわなかった米アカデミー賞についても触れ「もう少し(受賞が)早ければウィル・スミスに殴られていたかも。殴ってほしかったですね」と笑わせた。共に登壇した渡辺監督から「だいぶ部門が離れていますから」と真面目に突っ込まれたが「いやいや、殴られにいきます」と言葉を重ねた。

同作は原作者の直木賞作家、西加奈子氏が石巻市を訪れたことで生まれ、同作に感銘を受けたさんまのオファーで映画化された。主人公の肉子とキクコは血のつながっていない親子という設定。さんまも元妻の大竹しのぶが前夫との間にもうけていた息子の二千翔(にちか)さんを育てた経験があり「(キクコが)自分の母じゃないお母さんが大好きというところにすごく感銘を受けまして」と語った。しかし、発案から映画公開までに要した時間は約5年と想像以上だったといい「ぜひ映画化、アニメ化をしたいと伝えて、すぐ会社に動いていただいて。そこから5年もかかりました。もう2度とアニメはやりません」と再び笑わせた。

質疑応答で次回作への意欲を聞かれた際も「今から動いても3年はかかるので。もう僕70歳になるんですよ」と語っていたが、水面下で次回作へ向けて動いていることも明かした。「もう1本、監督とやらせていただけたらと思って。今、いろいろ本を読みあさっているところ」と話した。

他の芸人が映画などをプロデュースする例はこれまでにもあり、ライバルについて話が及ぶと「こういう年にくると(ライバルは)明石家さんまに負けたくないという境地に達します」と語気を強め「自分自身との戦い。みなさんもそうなると思います」と意気込んだ。

同作は米国や台湾など海外での上映も決定しており、国内では4月15~21日まで東京、大阪でのアンコール上映も行っている。東京はTOHOシネマズ日比谷、大阪はTOHOシネマズなんばで上映している。