ヨットでの太平洋横断中に遭難した経験のあるキャスター辛坊治郎氏(66)が2日までにツイッターを更新。北海道・知床半島沖で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)=19トン」が遭難した事故をめぐり、自身の経験から「水温20度以下の寒冷海域を走る観光船に救命いかだは絶対に必要だ」とした。

辛坊氏は「ここへ来て寒冷海域での救命筏(いかだ)の必要性を唱える大手メディアが出てきたが遅いわ!」と書き出し、「事故当日から何度も何度も言っているが、国交省が沿海の船検に義務付けている救命浮器や救命胴衣は、落水してすぐに救助される場合以外、寒冷地の海では気休めにもならない。船が沈んだら、救命筏や救命ボートがなければまず助からないのだ。荒れた海で乗り移るのは確かに困難だが無ければ確実に死ぬ」と指摘した。

自身は2013年(平25)にヨットでの太平洋無寄港横断に初めてチャレンジした際、出航5日でヨットがクジラと衝突して沈没。海上自衛隊に救助され、失敗に終わった。当時について「私は盲目のヒロと、4メートルを越える波の中、救命筏に避難した。衛星携帯電話で海保に『救助に3日かかる』と言われたが、海自はその日の日没間際に命懸けで救命してくれた。救命筏と衛星携帯電話が無ければ100%死んでいたケースだ」と振り返り、あらためて「水温20度以下の寒冷海域を走る観光船に救命筏は絶対に必要だ」と訴えた。