米俳優ジョニー・デップ(58)に名誉毀損(きそん)で訴えられている元妻で女優のアンバー・ハード(36)が、裁判で涙ながらに自身が受けた暴行について語ったことに対し、デップの弁護団が「人生最高の演技だった」と反論した。

ワシントン・ポスト紙に自分は「DV被害者」だと寄稿したことでデップから5000万ドルの損害賠償を求められているハードは、5日に行われた裁判で証言台に立ち、デップから平手打ちされた時の様子や酒のボトルを性器に挿入されて性的暴行を受けたなどと涙ながらに生々しい状況を振り返った。しかし、顔のあざや目撃証言など暴行を受けたことを示す確固たる証拠はなく、ハードの主張は虚偽で演技との声が噴出していた。

ハードの証言を受けてDVを完全否定しているデップの弁護団は、「自分に都合の良い新しい証言が増えている」と非難するコメントを発表し、デップはこの6年間にわたって証言は一貫して同じであると述べ、今後の反対尋問でハードの主張が虚偽であることが明らかになるだろうとの考えを示した。

一方、これを受けてハード側の弁護団も「主張は変わっていないと自慢しているが、英国での名誉毀損裁判でも敗訴しているのだから、被害者を攻撃して責任を取らないこれまでのやり方ではなく、新たな戦略を考えるべき」とコメントを発表し、デップは事実とフィクションの区別がつかないと批判した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)