俳優竹野内豊(51)と山田孝之(38)が23年公開予定の映画「唄う六人の女」(石橋義正監督)でダブル主演を務めることが11日、わかった。11年の映画「太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-」以来の共演で、竹野内は所属事務所からの独立後、初の主演作となる。

車の事故で村に迷い込んだ2人の男を演じ、そこに住む美しく奇妙な6人の女に監禁され、本能で動く彼女たちの行動に翻弄(ほんろう)されていくという物語。竹野内は「石橋監督とは初めてご一緒させていただきます。『オー!マイキー』シリーズや『ミロクローゼ』といった異彩を放つ独特の感性で今作をどのように演出されるのか楽しみです」とコメント。久々の共演となる山田については「山田孝之さんとは11年ぶりの共演となります。石橋監督、山田孝之さんと力を合わせ、面白い映画を作りたいと思っております」と意気込んだ。

山田は「ミロクローゼ」で主演を演じており、石橋監督とは再タッグ。出演決定にあたっての思い出も明かした。「2020年12月14日、実に10年ぶりであろう石橋監督との再会を果たし『次回作に参加いただけないか』とのうれしいお誘い」と振り返り「しかし、なぜだか茶を濁し数日がたったある日、道を歩いていたところ『山田くん』と声がかかった。これまた10年ぶりであろう竹野内さんが立っていた。これは“そういうこと”なのだと出演を決めた」とつづった。

再び石橋監督の作品に携われることについて「僕はなんて幸せなんだ。しかも今回は竹野内さんと」と喜びもひとしお。同時に当時の撮影についての記憶もよみがえり「ワクワクしかない僕の元へ脚本が届き、ニヤニヤと読み進めるうちに僕は思い出した。『ミロクローゼ』のことを。『そうだった。石橋組の撮影ってめちゃくちゃハードだったんだ』と。ぼ、ぼくはなんて、しあ、しあ、しあわせなんだ…」と締めくくった。

今作は5月から京都南丹市や大阪、奈良を中心に撮影を開始予定。日本の原風景の中で繰り広げられるミステリアスかつ妖艶で美しい作品になるといい、石橋監督は「森羅万象に命が宿るという感覚が子供の頃から備わっている私たちは、自然の美しさに対する特別な意識を持ち合わせています」と語り「私たちがごく普通に持っているこの感覚こそが、今、地球にとって大変重要なのだと感じます。本作がその感覚をあらためて呼び起こすような肥料のようなものになればうれしく思います。登場する6人の個性豊かで艶やかな女性たちと、竹野内さん、山田さんの魅力があふれる、記憶に残る映画にしたいと思います」と力を込めた。