早川千絵監督(45)が30日、都内で映画「PLAN75」(6月17日公開)の凱旋(がいせん)プレミア試写会に登壇。第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、新人監督賞「カメラ・ドール」のスペシャルメンションが授与された心境を明かした。

同作が長編デビュー作となった早川監督は「携わってくださったみんなの努力が報われて評価されてうれしい」と笑顔を見せた。また、授賞式でのスピーチには緊張したといい「国籍関係なく伝わるものがあったと思っていて、観た後に『母親に電話した』『おじさんに電話した』と泣きながら言ってくださった方がいて、届いて良かったと思った」と話した。

同映画祭のコンペティション部門に出品した、是枝裕和監督(59)とも話をしたといい、「上映にも行かせて頂いて、大きなスクリーンで満席の客席を観て、すごいんだなと思いました。作品も素晴らしかったです」と率直な思いを語った。

同作は是枝監督が初めて総合監修を務めたオムニバス映画「十年 Ten Years Japan」の1篇を早川監督が長編化。75歳以上が自ら生死を選択できる制度が施行された近未来の日本を舞台に、制度に翻弄(ほんろう)される人々の行く末を描いた。

主演の倍賞千恵子(80)磯村勇斗(29)も出席。