サザンオールスターズのベースで、自らを“ウクレリアン”と称する関口和之(66)が、8月10日に、約10年ぶりのアルバム「FREE-UKES」(フリーユークス)を発売することが16日、分かった。ザ・ドリフターズの高木ブー(89)荻野目洋子(53)らと結成したユニット「1933ウクレレオールスターズ」の新曲も4曲収録される。

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ベーシストなどの音楽活動に加え、イラストレーター、人気ゲーム「桃太郎伝説」の音楽作曲、文筆家-。さまざまな顔を持つサザンオールスターズきっての“自由人”が、10年ぶりにソロ作品をリリースする。アルバム名は、自由(FREE)と、ウクレレの複数形(UKES)が組み合わさったもので「多くの人たちに自由な気持ちでウクレレミュージックを楽しんでほしい」という想いが込められた。

4月ごろに製作が始まり、現在も進行中。高木、荻野目、野村義男(57)らと18年に結成したユニット「1933ウクレレオールスターズ」の新曲も4曲収録される。ユニット結成の発端は、関口が94年に日本で開催されたウクレレのコンサートを見に行ったことだった。その場で高木と「ウクレレでオーケストラのようなバンドを作りたい」と話し、24年の年月を経て18年に結成し、今年本格的に活動を開始。「1933」は高木の生まれた年だ。

アルバムの収録曲「パパの手」は、高木と高木の芸能活動をサポートしている娘の親子愛を、関口が楽曲に表現した。心温まる曲で、レコーディングを終えた高木は「一緒にやれてうれしい!」と喜んでいたという。他に97年~12年までの関口のソロ楽曲などが収録される予定だ。

関口は「ウクレレ夏の時代の始まり FREE-UKESは、『1933ウクレレオールスターズ』初めてのレコーディング音源と、97年の『ウクレレカレンダー』から始まる僕のウクレレ活動を象徴するようなボーナストラックで構成されています」と紹介。そして「まだ街にウクレレを持った人たちが見当たらなかった97年を“ウクレレ春の時代の始まり”とするなら、2022年はまさに“ウクレレ夏の時代の幕開け”となるような気がします」と話している。

86年公開の映画「カイロの紫のバラ」でウクレレにはまり、それ以降「ウクレレと奏でる音楽で、少しでも人々の心を軽くしたい!」という趣旨の「日本ハワイ化(ウクレレ化)計画」を一貫して掲げてきた。大のハワイ好きで、これまでウクレレを用いた楽曲や書籍を多数発表。「コロナ禍の巣ごもり中にウクレレを手にした人も多かったようですが、ウクレレの本当の楽しさを知るのはこれからです。さあ、ウクレレと一緒に楽しい旅を始めましょう!」と呼び掛けた。

○…関口が企画・プロデュースを務めるウクレレ展「“ハワイの風吹くウクレレ展”『ウクレレの島』」の開催も決定した。8月9日~25日まで、そごう横浜店8階で、関口自身が所有する約300本の貴重なウクレレコレクションの展示を中心に、ウクレレの魅力を伝えるコンテンツが展示される予定だ。さらに開催期間の16日には、同9階で「1933ウクレレオールスターズ」初のホールワンマンライブを開催する。昨年末、今年3月に有観客ライブを開催してきたが、オリジナル楽曲を発売して以降、初のライブとなる。

◆関口和之(せきぐち・かずゆき)1955年(昭30)12月21日、新潟県生まれ。74年に青学大の音楽サークルのメンバーを中心にサザンオールスターズ結成。ベースを担当し、78年6月25日「勝手にシンドバッド」でデビュー。86年にソロ活動も開始。FMヨコハマの番組「波のまにまにあ」でレギュラーを務める。血液型O。