1987年に劇場公開され名作と名高い長編アニメ映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(山賀博之監督)の公開35周年を記念した4Kリマスター版の劇場公開(10月28日)と4Kリマスターメモリアルボックス発売(11月25日)に向け、主人公シロツグを演じた俳優森本レオ(79)が35年ぶりに声を吹き込んだテレビCMが、YouTubeなどで公開された。

同作は山賀監督はじめ、庵野秀明氏や貞本義行氏、樋口真嗣氏ら、後に多くの名作を世に送り出すトップクリエーターが集結した若き制作集団GAINAXと、バンダイがタッグを組み制作された、両社にとって初の長編アニメ映画。今なお「後世に残したいアニメーション作品」のひとつとして世界中で語り継がれる伝説的作品となっている。

森本はCMで、劇中でも象徴的だった「立派に元気にやるんだ」というシロツグのセリフを、35年の時を経て再び吹き込んだ。森本はコメントを寄せ、「この作品はなぜか、いつの時代とも、どこかで響きあっているような気がします。初めてプロデューサーさんに会った時、いきなり、『上手にだけは、絶対やらないで下さいね』、と言われてびっくりした。『永遠の未完成に、憧れているのですよ』。と熱い笑顔でおっしゃる。それが、歴史という夢の、本質なのだそうだ。あー、だから僕なんだー、と突っ込むと、ぜんぜん否定する気配もなく、笑い転げてらっしゃった。途方に暮れたよー」と冗談まじりに、作品との再会を喜んだ。

同作は通貨や言語、文化に至るまで、全てゼロから作り上げられた膨大かつ緻密な世界観が特徴の同作。特に庵野氏によるクライマックスのロケット打ち上げシーンは当時のファンの間で話題となった。

◆「王立宇宙軍 オネアミスの翼」 主人公の兵士シロツグ・ラーダット。戦わない軍隊「王立宇宙軍」が政府には見放され、人間どころか人工衛星すら満足にあげられない状況に。いつの間にやら、宇宙への夢も遠ざかり訓練もサボり放題のシロツグ。そんなある日、街で神の教えを説くふしぎな少女リイクニに出会ったことでシロツグの運命は変わってしまう。シロツグは仲間の兵士の反対にもめげず宇宙パイロットに志願。かくして「王立宇宙軍」の威信と名誉挽回の宇宙飛行計画が開始される。