野球の独立リーグBC・栃木に所属する、お笑いコンビ、ティモンディの高岸宏行（29）が14日、栃木県総合運動公園で行われた埼玉武蔵戦で、初登板・初先発を果たした。

2回を52球、被安打3、5四球、3失点でマウンドを降りた。最速は140キロ。チームはその後追いつき、4－4の引き分けに終わった。次回の登板は未定。

試合には今季チーム最多の5021人のファンが来場した。試合後、インタビューを受ける際には、ネット裏に大勢のファンが詰めかけた。高岸は「楽しかったですか？　僕もみなさんのおかげで楽しかったです」とファンに感謝。ゲームは引き分けとなったが「今日は両チーム優勝です！」とたたえ、笑いをさそった。最後には「夢に向かってどんな時でも楽しく前を向いていきましょう！」とし、「みんななら、やればできる！」と、ファンと一体となった。

報道陣による取材では、「高校以来10年ぶりの実戦で、野球ってやっぱりいいな」とにこやかな表情を見せた。ホームランを打たれた際には、選手を拍手でたたえたが「甘い球でしたけど、しっかり打ったのはお見事でした」と拍手。初登板だったが点数を「5億点満点！」と採点し、「野球も楽しめてファンのみなさんとの交流も楽しめて、最高でした」と話した。

試合では、SMAPの「世界に一つだけの花」が流れる中、名前をコールされ、盛大な拍手の中で登場した。「できる」と念を込め、134キロのボールが第1球となった。その後、味方のエラーや、自身のワイルドピッチで1失点。2回は、先頭打者に初球をホームランにされた。制球に苦しみ四球を与えながらも、2回3失点の投球を見せた。

試合前に行われた入団セレモニーでは、「ご縁があり入団させていただくことになりました、ブレーブスの高岸です！」と元気いっぱいにあいさつ。「野球はプレーで遊ぶものですから、選手のみなさんは全力で命をかけて楽しんでくれると思います。僕もみなさんに、より前向きに楽しい時間を過ごしていただけるよう、エール球を投げ込んでいきたいと思いますので、今日は全力で楽しみましょう！」と意気込んでいた。

高岸は愛媛の強豪、済美の野球部出身。09年夏の県大会決勝では現在阪神投手の秋山がエースの西条に敗れ、甲子園出場を逃した。東洋大へ進学後、一度は野球の道をあきらめ、お笑いに転身した。昨年4月の日本ハム－ロッテ戦の始球式で出した142キロは、NPB始球式での「芸能人史上最速」と称される。自身の公式サイトでは「最速150キロ」経験もアピールしている。相方の前田裕太も同校野球部の同期で、この日はYouTubeなどで行われた生中継でエールを交えて解説した。