俳優阿部サダヲ(52)が20日、都内で、主演映画「アイ・アム まきもと」(水田伸生監督、30日公開)の試写会イベントを行った。

身寄りのない人を埋葬する、市役所の「おみおくり係」で働く牧本(阿部)の巻き起こす騒動と物語を描く。この日は遺品整理ティックトッカー、さとうようへい氏(40)も登壇。さとう氏は警官として10年間働いた後、遺品整理専門会社を設立している。

阿部は「こんな真っすぐなキャラクターはやったことがない。こんな温かい人はいない。またやりたいし、シリーズ化できないけどしたいです」と役柄にほれ込んでいた。

これまでは「すぐ人に合わせてしまう」という人生を送ってきたといい、常に変化をしてきたと明かした。「すぐ人に合わせちゃうし、どんどん変わっちゃう。話し方も変わった。昔はこんな話し方じゃなかった。ルールも決めない。来る道と帰り道も決めない」。

9月1日に試写会が行われ、家族も見に来たという。「子どもが僕の映画を見て、初めてうるっときた。そんなシーンはないんですけどね。試写会後に牧本のマネをしたら『そうじゃない。やめてくれ』と言われた」。

さとう氏が映画を見た感想について「この映画の主役は阿部さんじゃない。主人公は遺品整理の現場に住んでいた人。亡くなった人です」と話すと、阿部は「ダメ出しですね」と最初は冗談を言っていたが、「見る人すべてが主役。いつかは皆さんも亡くなる。そのことを考えるよいきっかけになる。見た後で心が温かくなる。いい時間を味わっていただきたい」とアピールした。