中村鴈治郎(63)、松本幸四郎(49)が30日、歌舞伎座「芸術祭十月大歌舞伎」第2部「祇園恋づくし」の取材会を都内で行い、意気込みを語った。

「祇園祭」を背景に、京と江戸の意地の張り合いや恋模様を描いた喜劇。7月に大阪松竹座で上演したところ大きな話題を集め、歌舞伎界では異例となる3カ月でのスピード再演が実現した。

それぞれ男女2役を早替わりで演じるのも見どころのひとつ。鴈治郎は、共演に幸四郎を指名した理由について「女も男もできるから」とし、幸四郎の女形を「きれいでしたよ」と絶賛した。幸四郎も、自身の女形について「容姿はすごいきれいだと思い込んでやっている。女形はそれが大事」と笑顔で話した。

京と江戸のバトルも爆笑を呼ぶ。鴈治郎は「はっきりモノを言うようで言わない京女、京男を東京の人が見たらどう映るのかと思うが、あるあると楽しんでいただければ」。幸四郎も「けなし合いではなく、京と江戸の郷土自慢が笑いになっているのが魅力」とした。

鴈治郎との共演について幸四郎は「楽しいですね。僕が何かを考えているだろう、僕が何かをするだろうと思っているようなので、何か考えなきゃと思う。緊張と勇気を与えてくれる先輩です」と話していた。