NHK連続テレビ小説「舞いあがれ!」で、ヒロイン舞の五島に住む祖母を演じて話題の高畑淳子(68)が、今度は、舞台で”マンハッタンの91歳おばあちゃん”になる。高畑が20日、大阪市内で、舞台「4000マイルズ~旅立ちの時~」取材会に臨み、”おばあちゃんマーケット”の第一人者へと名乗りをあげた。

舞台は東京・シアタークリエで12月12~28日、大阪・梅田芸術劇場で来年1月7~9日、愛知・日本特殊陶業市民会館で同1月11、12日、香川・レクザムホールで同1月15日に予定されている。

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「最初は入れ歯を入れていない状態で、フガフガ…何を言っているのか分からない。で、補聴器をつけてという感じで登場します」

作品は、11年に米ニューヨークのオフ・ブロードウェーで初演。久しぶりに再会した大学生レオと祖母ヴェラのふれあいを描く。孫のレオには岡本圭人がふんするが、血縁はない設定だという。

五島のおばあちゃんに続き、再びおばあちゃん。しかも、今度は91歳の役柄に、高畑は「私、90歳(代)もやれるともくろんでくださった方がいて、長らく草笛光子さん、黒柳徹子さんたちでしたが、その市場をそろそろ、いただけるのかと思い、ありがたかった」と、オファーに感謝した。

朝ドラの祖母役は「自然を相手に闘っていて、かなわないなという感じ」だったというが、今回は「比べたら、うかつなところもあって、それが愛嬌(あいきょう)かな、とも思います。『なんだ同じじゃん』と言われないようにしたい」と意気込む。

両方のおばあちゃんともに「亡くなった夫をとても大事に思っている」との共通点もある。

朝ドラではナチュラルさを求め、自前の白髪を生かしてふんしたが、さすがに「歯は抜きたくないな」とも。ただ、イメージに笠智衆さんをあげ「背中に座布団を入れて、自然な丸みが出るようにしようかと思っています」と言い、役作りへの準備も着々、進める。

祖母役は「若いころからあった」そうで、最初に演じた当初は「子役のお母さんが『おばあちゃんにあいさつしなさい』と言っていたので、誰が? と思った」そう。ただ経年で「そりゃ、今はちゃんと老けてますから。自分の変化は財産です」とも言い、キャリアを重ねて、今では、祖母役マーケットの第一人者になりたいとも願う。

自分の出演作を見ないという役者もいるが、高畑の場合は「自分の映像を見るのも嫌いじゃない。あらためて見て、あ、こんな(自身の)面もあったのかって発見できますし」と言う。

「私、若い頃には、戦隊もので火を吹いてましたし、人より変身願望は強いかもしれませんね」

大笑いしながら、変身願望を語る一方で「でも、私、年老いていることに気づかない老女優にはなりたくない」と、役者としての誇りもみせた。