EXILE/三代目 J SOUL BROTHERS岩田剛典(33)が今月9日の広島・上野学園ホール公演を皮切りに、初のソロ全国ツアーをスタートさせた。

初日公演の模様を取材した。ステージには、パフォーマーとも役者とも違う“岩田剛典”がいた。公演前のインタビューで「キャリアだけは長いですし、右も左も分からないわけじゃないし、右も左もある程度分かる中ですが…。僕はまだ駆けだしたばかりのアーティスト。新人の気持ちで回らせていただきます」と話していたが、先月12日発売の初アルバム「The Chocolate Box」の収録曲を中心に、あおりもMCも全て行う姿は、少し照れも感じさせながら、いつもとはまた違った笑顔に見えた。

昨年、ソロプロジェクト「Be My guest」を立ち上げた。10年に三代目 J SOUL BROTHERSのデビューとともに、岩田も芸能界デビュー。パフォーマーとしてだけではなく、役者としても活躍してきた中で、10年の節目を迎え「ファンの皆さんとの距離をより縮めたい」とスタートさせた。元々芸達者。今回のアルバムジャケットも自ら手掛けるなど、絵も描く。そんな岩田のライフワークを通じて、「自分も一緒に楽しみながら、ファンの皆さんの活力になるようなことができたらいいなという思いがあります」。

ちょうど10周年を迎えた20年11月にインタビューした際、岩田はこんなことを語っていた。

「10年前は学生でしたが、この10年で本当に何物にも代え難い経験を得ましたし、その時間が全て財産になっているなと思います。10年たって『考え方も見た目も変わったよね』と言ってもらえることもあります。でもそれは自分にとっては当たり前のことで、変わろうとして変わってきました。毎年、毎年…今もそうなんですが、意外と悩むタイプなので、毎年苦しいというか…。どんどん自分をプロデュースしていかないと、飽きられてしまいますし、ちゃんと需要がないといけないので、そこに応えていけるグループ、自分でいないと、って、ずっと悩み続けた10年でもありました」

特にコロナ禍前は、ドームツアーも行う2グループの活動を兼任しながら、ドラマや映画の撮影も休みなく続けていた。ライブの合間にせりふを覚えているエピソードは、グループの他のメンバーからもよく聞いた。同じ日のインタビューで、NAOTO(39)も「岩ちゃんの向こう側が透けちゃうくらい、印象が薄い時期があったよね? だからコロナ禍ではありましたけど、どうぞ休んでくださいと思っていました。(コロナ禍で)『いろいろなことを考える時間があった』と話していたのを聞いて、良かったなって」と話していたほど、周囲も認めるほどストイックに自分と向き合っていた。

だからこそ行き着いたはずのソロプロジェクト。歌手活動を始めることも、ある意味必然だったのかもしれない。岩田は「12年間やってきて、今まで芸能界で自分なりに感じてきた価値観や意見もあります。自分のライブだからこそ言うことも変わってくるし、そういう部分も、ファンの皆さんにとっては喜んでもらえるとうれしいです」。

そういえば、先のインタビューで、小林直己(38)はこんなことを言っていた。「ずっと考えてきたことの点と点とがちょっとずつ線になってきて、ここから数年かけてそこに向かっていくんだ! という感じがビシバシと伝わってきます! もともとそういう能力が高い人だと思うので、芸能界に入って、立場も変わって、やることも増えていってというところで倍々ゲームだったのが、ここにきて、また3倍、4倍で開花するんじゃないかという予感しかしないです」。まさに今、また1つ新たな花が咲こうとしている。

今後もEXILEや三代目 J SOUL BROTHERS、そして役者の活動も継続していく。来年は三代目として、9年ぶりのアリーナツアーも控えている。「シンプルにファンの皆さんと会える場所が増えていくという、ポジティブな活動になっていくと思っています」。ソロ歌手活動も加えて、ますます進化していく岩田剛典から、目が離せない。【大友陽平】