演歌歌手多岐川舞子(52)が23日、東京・新宿のライブレストラン「ガルロチ」で新曲「凍る月」の発売記念と誕生日祝いを兼ねたメモリアルライブを行った。

この日発売の「凍る月」は、20万枚のヒットになった「信濃川」(03年)を作曲した作曲家弦哲也氏が作詞作曲を手掛けた勝負曲。「曲の依頼をした時に、はかなげな女性をイメージして書くねといわれました。乾いた空気の中で、幻想的で叙情的で、これまでありそうでなかった曲です」と、ワルツのリズムに乗った叙情曲への手応えを語った。

ライブでは「恋の町札幌」などをピアノの弾き語りで聞かせ、得意のサックスを吹きながら「他人の関係」などを歌唱する“芸達者ぶり”も見せた。「本当はもっとやりたかったけど5曲くらい減らしたんです。ピアノとサックスで弾く曲も1カ月くらいじっくり考えて決めたんです」と明かした。

24日が53歳の誕生日。コロナ禍でファンと直接触れ合う機会が減っていたが「24日から3年ぶりのキャンペーンに行きます。明日は名古屋。ファンと生の触れ合いは久しぶりなのでワクワクしています」。くしくも誕生日と“再出発”の日が重なったことを笑顔で話した。

1989年(平元)5月に「男灘」でデビューし、来年が35周年の節目。デビュー直後は新宿の6畳一間に住み、「語り尽くせないほど多くの苦労をして涙を流してきた」という。

「今後、コロナがどんな状況になっているか分からないけれど、1つずつ積み上げていくぞっていう気持ちで頑張ります」。平成元年にデビューし、令和の新時代を迎えた苦労人が思い出の地で飛躍を誓った。