NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜午後8時)で三浦義村を演じる山本耕史(46)が、このほどオンライン取材会を行った。

三浦家が生き残るための策略を巡らせながら、冷静に立ち回る男を演じた。役柄について「彼の生き方はのらりくらりだけど、実はその生き方自体に迷いがない。三浦がつく方が残る、というのは史実でも分かる通り。大河の中ではまっすぐ生き抜いたと思う」と振り返った。

和田義盛(横田栄司)を討った「和田合戦」では、和田側だった三浦家が幕府軍に寝返ったことが勝利につながった。物語後半では暗躍ぶりが目立ったが、山本は「裏切った後に、なるほどなと思うことを言う。迷いやブレがないので、演じていて気持ちよかった」。小栗旬(39)演じる主人公北条義時は、厳しい判断を下す局面が続いており「旬くんも『いいなあ、楽しそうで』って言ってました。正直、義時よりも楽しく演じていたと思う。大変だったろうなと思う中、横でいつも通りの義村を演じるのは痛快でした」と笑った。

「新選組!」(04年)、「真田丸」(16年)と、三谷幸喜氏が手がけた全ての大河ドラマに出演する。シビアなシーンに笑いをちりばめるのは「三谷さんにとってはもってこいの瞬間」という。八重(新垣結衣)が川辺で命を落とす場面では、救助に現れた義村が上半身裸で登場。お茶の間の視線が山本の肉体美にくぎ付けとなった。これは台本上の指示だったといい「脱ぐ必要あります? と聞いたんですけど、『見ている人の視線をごまかしたいんだ』と。三谷さんは見事。『重たくなりすぎるシーンなので、義村の裸体で気をそらしたい』と。すごい。そこまで計算できてるんだ」と、三谷氏の狙いに感服した。

「真田丸」で演じた石田三成は関ケ原の戦いで敗れ、「新選組!」で演じた土方歳三も特別ドラマで最期を体験した。「ワンシーズンで花を咲かせて、パッと散っていくのが大河の気持ちよさ」と語り、物語の最後まで生き残る義村を演じることは新鮮という。クランクアップを迎えたが「義村はまだ生きているので終わった感がない。僕の中ではまだ生き続けている役」といい、「物語の中で未来に向かう人がたくさんいる。今回は義時の物語なので、見届けることができてよかった」と話した。