今日22日に最終回を迎えたフジテレビ系連続ドラマ「silent」(木曜午後10時、15分拡大)の脚本を務める生方美久氏(29)が、日刊スポーツにコメントを寄せた。全11話を通じて伝えたかったことを明かした。

「どう生きるかは本人が決めること。何が幸せかは本人にしかわからないこと。どんな過去があって、何を思って生きてきた人なのか、それを知らずしてある一面だけを見て人格を決めつけ、否定し、ののしる……そういう人がいなくなってほしいです。ドラマに対してだけでなく、リアルでも」

主演の川口春奈(27)演じる主人公の青羽紬と、Snow Man目黒蓮(25)が演じる佐倉想の2人が8年ぶりに再会するところからストーリーは動きだす。想は「若年発症型両側性感音難聴」を患い、聴力のほとんどを失っていた。8年という時を経て再び出会った2人がたどりつく結末に注目が集まっていた。

最終話で、2人が黒板の前でお互いの思いを伝えるシーンがある。紬は手話で想に思いをぶつけた。

「人それぞれ違う考え方があって、違う生き方をしてきたんだから、分かり合えないことは絶対ある。それでも一緒にいたいと思う人と一緒にいるために、言葉があるんだと思う」

想も最後、紬に思いを伝える。

「青羽の言葉が見えるようになってよかった」

生方氏の書いた脚本を貫いていたのは「言葉」だった。

◆生方美久(うぶかた・みく)1993年(平5)5月10日、群馬・富岡市出身。高崎商大付から群馬大医学部保健学科看護学専攻へ進学。大学卒業後、県内や都内の医療機関で看護師として働きながら脚本を学ぶ。昨年にフジテレビヤングシナリオ大賞受賞。同賞は生方が最も尊敬している脚本家の坂元裕二氏(東京ラブストーリー)を輩出している。大賞受賞作の「踊り場にて」は瀧本美織の主演で映像化され、昨年末に同局系で全国放送された。