生田斗真(38)が2月4日放送のNHK「テレビ70周年記念ドラマ『大河ドラマが生まれた日』」(午後7時30分)に主演し、同局初となる大型時代劇の制作に挑む若きテレビマンを演じている。このほど共演の阿部サダヲ(52)とオンライン取材会を行った。

63年に放送された大河ドラマ第1作「花の生涯」誕生の舞台裏をコミカルに描く。生田は上司に「日本一の大型時代劇を作れ」と厳命されるアシスタントディレクターの山岡を演じる。配信プラットフォームの台頭など「テレビが変わろうとするタイミングで、テレビの価値を高めるために奮闘した人たちを描くドラマを作ることに意義を感じる」と話す。劇中では俳優の出演交渉に奔走し、頻発する撮影トラブルに対応するなどテレビ草創期の苦労を体感。「今は当たり前のように台本をもらって、撮影して、放送される。始めの一歩は大変だったと思う」と感慨深げに語った。

プロデューサーの楠田を演じる阿部は「勘のいい人で笑いもできるし、間も好きな感じ」と、生田との共演を楽しんだ様子。ドラマでは銀幕スターのテレビ出演を縛る大手映画会社の「5社協定」突破に苦心するが、「僕は元々舞台出身だけど、ジャニーズの人とも共演できるし、今回は歌舞伎の人もいて楽しかった。それができるのは先人たちのおかげだと分かりました」と笑顔で感謝した。

また2人の上司役として中井貴一(61)が出演。「花の生涯」には中井の父・佐田啓二さんが出演しており、劇中の佐田さんを中村七之助(39)が演じている。中井の撮影日は偶然にも佐田さんの命日で、阿部は「感動的でした」と不思議な縁を振り返っていた。【遠藤尚子】

◆NHK大河ドラマ 1963年(昭38)に始まった大型時代劇ドラマ枠。第1作は63年「花の生涯」で、放送後に「大河ドラマ」と呼ばれるようになる。当初は4月開始だったが、第2作の64年「赤穂浪士」から1月スタートに変更。以降12月までの約1年間放送されている。歴代最高世帯視聴率は87年「独眼竜政宗」で、39・7%(ビデオリサーチ調べ)を記録。放送中の松本潤主演「どうする家康」で第62作目となる。

○…2月5日、総合とBS4Kで「カラーでよみがえる! 大河ドラマ第1作『花の生涯』」(午後4時30分)を放送する。

当時モノクロだった同作を、最新のAI技術によりカラー化。二代目尾上松緑が主人公の井伊直弼を演じ、第1話と、クライマックスの「桜田門外の変」の一部をカラー化して放送する。「花の生涯」には淡島千景さん、佐田啓二さん、香川京子らが出演。カラー化ドキュメントパートの語りを阿部が務める。