ニュースキャスターの森本毅郎氏(83)が19日、自身が司会を務めるTBSラジオ「森本毅郎 スタンバイ!」(月~金曜午前6時30分~同8時30分)に出演。政府が新型コロナウイルス感染症の法的分類について、今春にも現在の「2類相当」から「5類相当」へ引き下げる方針を固めていることについて持論を展開した。

森本氏は、今春からマスク着用の必要性がなくなるなど、「5類」への移行によって人々の暮らしに根付いた感染症防止のための習慣や考え方が大きく変化することについて言及。

「ちょっとひがんだもののいい方をしますと、高齢者が抱えている病気がコロナによって悪化するということが今起こっていて、死者数も連日300人、400人となっている。『これは仕方がないことだ』ということに考え方が変わるということになるんです。『高齢者が亡くなるのは自然の流れ』『止めようもない』『日常ととらえてくれ』。(5類移行は)ひがんで言っていますが、こういうことになる」と、政府の感染症法上の分類見直しに、懐疑的な見解を示した。

続けて「では、(私たち高齢者は)どうすればいいか。周りは何もしてくれないと自分で覚悟を決めるべきです。そして自己防衛の時期に入った。マスクする、マスクしないも自己判断。自分の身は自分で守るしかないという時代に入った。これを心に決めておきましょう」と、リスナーに向けて語った。

読売新聞は19日付の朝刊1面で、岸田首相が加藤厚生労働大臣らと協議して、今春を視野に季節性インフルエンザと同等の「5類」に緩和する方針を固めたと報じた。「5類」移行に伴い、発熱症状が出ても一般の病院や診療所で診察を受けることが可能で、屋内でのマスク着用も原則的に不要となるとしている。従来のコロナ感染症に対する態勢が大きく転換される。

同番組のツイッターでのアンケートでは、5類移行・マスク不要が「いいと思う」が31%、「良くない」は69%。リスナーからの意見では「若者は無症状とか軽症ですが、高齢者は亡くなる人が多い。生産性がない、公費負担の多い高齢者を絶滅させたいというのはよく分かります。令和の姥捨山作戦ですか」「この流れでいいと思いますが、なぜそうするのか、科学的な根拠に基づいていればですが、発見されて日の浅いコロナについてはまだまだ研究の余地があるので無理だと思う」「岸田さんは兵士になれない国民と高額医療費を自己負担できない国民は不要と考えているのではないでしょうか。この感染者数と死者数。どこがインフルエンザと同等なのでしょうか」「マスク不要は行き過ぎ。そこまで外国と足並みをそろえる必要はないと思う」などといった声が寄せられた。

一方で「オミクロン株は風邪程度。私の会社にもたくさんいたが、後遺症は見られなかった。マスコミは死者が多いとあおっていますが、死者は高齢者が9割。コロナ禍前と変わらない」という声もあった。これには森本氏も「すごいな~。こういうふうに考える人もいるんですね。『高齢者が死ぬ死ぬって、当たり前だろう』と。いま(世論は)こうなっています」と絶句。アシスタントの遠藤泰子アナウンサー(79)も「すみません」と思わず声が漏れた。