インド映画「エンドロールのつづき」(パン・ナリン監督)の公開記念イベントが21日、都内で行われ、映画好きのお笑い芸人こがけん(43)と監督がトークショーを行った。

同作は、主人公の9歳のチャイ売りの少年が、映画と出会い、やがて映画監督となる監督の自伝的作品。大ヒット映画「RRR」を抑えて、アカデミー国際長編映画賞のインド代表に選出されている。

司会者から13年ぶりに来日した同監督へのおすすめ料理を聞かれたこがけんは「やはり、日本らしいものがいいですよね。和食がいいかな。皆さんも知ってるかな。あのココイチって言うんですけど」とボケるも監督にはうまく伝わらず「あのボケなんで聞き流してもらっていいです」と笑いを誘った。

監督は映画を好きになったきっかけなどを語り、影響を受けた作品として伊丹十三監督の「タンポポ」と語り、オムライスを挙げた。

こがけんは「オムライスですか。でも、この作品はメシテロムービーですよね。こんなおいしそうな表現というか、家庭料理がすごくきれいに撮ってありますし、ワクワクするシーンです。なぜこんなにお母さんの料理がおいしそうに撮るのかっていうのは、後々のストーリーに関わってくるっていうね。そこが面白いとこだなと思ってます」と語った。

さらに今作については「監督の映画への愛情が、奥に行って、フェティシズムぐらいのところまで行っちゃっています。お母さんの料理だったり、温かみがあって。あと、やはり『ニュー・シネマ・パラダイス』が浮かびます。でも、今作の映写技師は、弁当がうまそうだから、弁当と交換で、映画を見せるようになるというのがリアル。いろいろな名監督のオマージュもちりばめられていて、しびれました。あと、ラストはもう、鳥肌ものでした」と評した。

監督はアカデミー賞については「僕が映画が好きで、映画を作り始めました。賞はうれしいですが、こうして、観客がいっぱいになってくれることがとても重要です」と話した。