俳優いしだ壱成(48)が、24日公開のホラードキュメンタリー映画「三茶のポルターガイスト」(後藤剛監督)に出演している。このほど日刊スポーツの取材に応じ、自らの心霊体験をはじめ、父石田純一(69)、妹すみれ(32)についても語った。【聞き手=小谷野俊哉】

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「三茶の-」は東京・三軒茶屋の芸能事務所のけいこ場で次々と起こる心霊現象や、目撃された白い手の影の謎に迫る作品だ。いしだは21歳くらいの頃、ドラマの撮影中に泊まっていた高層ホテルで、謎の電話の混戦があったことや、その際にホテルの窓にたくさんの人の顔が映し出されていた心霊体験について語っている。子供の頃は霊感が皆無だったという。

「俳優の仕事を始めてからついたのかなっていう気もしますけど、元々はそんなになかったんです。それが八王子の方の廃病院でロケした時に、ちょこちょことね…。仕事でいかにもなそういう場所に行けば感じるんですけど、普段はあんまり感じない方ですね。怖がりではあるんですけど」

21年の暮れに、3度目の離婚。10年近く暮らした石川から、東京に戻って、本格的に芸能活動を再開して1年近くたつ。トルコでの植毛、双極性障害(そううつ病)告白など、俳優業以外で話題になることも多いが、少しずつ、だが着実に前に歩んでいる。

「この3年ぐらいは、コロナ禍もあって我慢、我慢でした。石川にいて、東京に帰って来て、あっという間でしたね。かなり激動のと言いますか、いろいろとありましたが、収入がないところから、またこう立て直してきました。役者業としては、大きなものも決まっているんですが、大きなものも小さなものも、いろいろな仕事を含めて、地道にやっていけたらいいなと思っています。久しぶりの東京は大分、変わってますね。特に渋谷なんかは…。自分も、それなりに大人になったということですかね。東京の街を見て、若い頃とは違うなと。年を取ったなって感じます」

父の純一は69歳、いっせいは48歳。父に誘われ、合コンに参加していると報じられた。

「合コンになるのかなあ(笑い)。まあ、食事会ですね。最近は、父がビジネスを始めてるので、その話をすることが多いです。“父と息子”という感じはしていて、『のんびり地道にやれ』と言ってくれています。父もマスコミにたたかれた経験が、あるじゃないですか。でも、そういう話はしません。やっぱり、さらりとね。父は、お酒も結構飲みます。でも、体には一応気を使っているみたいです。まだ4歳の女の子がいるから、倒れるわけにもいかないですからね」

自身も、一昨年暮れに別れた3度目の妻との間に、4歳の娘がいる。

「たまに会うことはあります。父のところと同じくらい。(成人するまで)あと15年ぐらいはかかるので、頑張らないといけません。この間、彼女と別れて、また新しい彼女ができました。まあ、その繰り返しです。3回結婚して、3回離婚してますから」

純一夫人の東尾理子(47)とは、たまに連絡を取っているという。妹のすみれとは、しばらく連絡を取っていない。

「理子ちゃんとは、本当にたまに『元気?』ぐらいの感じです。すみれとは、全然会ってないです。会いたいなとは思いますけど。初めて会ったのは、彼女が3歳くらいの頃で、ちょうど僕がデビューしたくらいの頃です。すごいかわいらしいって感じで、不思議な子でしたね」

92年にフジテレビ系のドラマ「悲しいほどお天気」で、17歳の時に俳優デビュー。中性的な魅力で「フェミ男」と呼ばれた。

「懐かしい言葉ですねぇ(笑い)。芝居への向き合い方は、変わって来たところもありますし、ちょっと理論っぽくなってるかも。俳優をやっていて大きな影響を受けたのは、やっぱり舞台『毛皮のマリー』(94年)で共演した美輪明宏さんです。すごく優しい方でした。非常に厳しい方でもあるんですけど、優しかった。あとは95年のTBSの『未成年』ですかね。いろいろとあるんですけど、初の連ドラ主演で、最初の大きな責任を負ったドラマ。20歳でした」

テレビ、映画などの映像作品でアイドル的人気を得る一方で、若い時から舞台でキャリアを積んだ。

「アウトプットの仕方が違うというだけで、基本的には変わらないかなと思っています。だけど舞台の方が、より理論立てて…っていうところもある。頭の中で考えながらやってるところもあります。演出も、まだまだ勉強することがあるけど、舞台をやりたいです。映像も、もちろんですけど」

スレンダーなフェミ男も、48歳になった。身体に肉が付き、髪の毛も薄くなった。

「身体はちょこっと絞って、植毛もしました。今後は、へんてこなというか、サイコパスだったり、ちょっと精神を病んだ役とかをやってみたいですね。ハードルは高いんですけど、今までやったことがないので、興味深いです。役者はずっと続けていきたいです」

見た目だけじゃない。オフの過ごし方も変わった。

「休みの日は、もっぱら台本を読んだりとか、散歩したり、家の掃除したり、普通に過ごしてます。最近、多肉植物を集め始めました。酒はまあ飲む方で、若い頃と比べても変わってないですね。むしろ、ちょっと増えた気もします。まだ飲めてますね、疲れは来ますけどね」

俳優としての仕事も順調に回り出している。

「そうですね、世界にどんどん出ていきたいなと思っています。映画とかで、アジアに進出できたら。アジアの国は日本の連続ドラマが放送されていたりするから、僕のことを知ってくれている人もちょこちょこいらっしゃるんです。僕も出ていたフジテレビの『ひとつ屋根の下』(93年)で、のりピーさん(酒井法子)がアジアで人気がありますからね。あせらずにやっていって、とりあえず50歳までにうまくやっていけるようになっていれば」

役者として再び走り出した48歳。さらに、その先を見据える。

「何かビジネスもやってみたい気はしますね。俳優をやっていると、いろいろな所に飛び回るようになれる。そういう行く先々で、例えばアジアの国々と何かできないかなと思います。でも、やっぱり基本は俳優だと思ってます」

 

◆いしだ壱成(いっせい)1974年(昭49)12月7日、東京都生まれ。父は俳優石田純一、妹は女優すみれ。92年にフジテレビ系「悲しいほどお天気」で俳優デビューし、同年フジ系「ひとつ屋根の下」にも出演。94年にCD「WARNING」で歌手デビュー。95年、TBS系「未成年」で連続ドラマ初主演。ほか98年、TBS系「聖者の行進」などで主演。177センチ。血液型B。