斎藤工(41)が23日、東京・新宿バルト9で行われた、ドキュメンタリー映画「横浜F・マリノス創設30周年記念ドキュメンタリー Beyond Together」(牧有太監督)公開記念舞台あいさつで、J1横浜F・マリノスへの並々ならぬ愛を語った。

斎藤は「マリノスになる前から…日産自動車の頃からだったので生粋の」と自認するほど、前身の日本リーグ日産自動車時代から応援し続ける、横浜の熱烈なサポーターだ。クラブ30周年を迎えた22年に、5度目のJリーグ制覇を成し遂げたシーズンに密着した今回の映画では、ナレーションを務めた。

斎藤は、ジャケットの下に横浜のユニホームを着て登壇すると「(元日本代表MFで現解説者の)金田喜稔さんが現役で(元ブラジル代表DFで日産監督だった)オスカーが無双で」などと熱っぽく語った。さらに「水沼さんは、まだ貴史さんのプレーを見ていた時間が長い。やっぱり、試合結果を一喜一憂してきた、この30年なので」と現在、主力としてプレーしているMF水沼宏太(33)の父でサッカー解説者の貴史氏(62)の名前を口にして、客席のサポーターを沸かせた。

この日、登壇したDF小池龍太(27)とは「勝手に僕が好きな選手をフォローさせていただいて、リアクションが来た」とSNSで接点が生まれ、親交が深いという。小池は「(SNSで繋がって)ビックリしますよ。スタジアムに来て欲しいので来てくださいと。ケガした時も優しい声をかけていただき、愛を感じる。一緒にマリノスの作品を作ることができた」と“共演”を喜んだ。

斎藤は「小池選手の、JFLから代表まで…。というキャリアも映画になる」と熱っぽく語った。小池は、JFAアカデミー福島を卒業した14年にJクラブから声がかからず、同年からJ3の下で、実質4部リーグに当たるレノファ山口FC(現J2)でキャリアをスタートした。その後、同クラブのJ3、J2昇格に貢献すると、自らも17年にJ1柏レイソルへとステップアップし、19年のベルギー1部ロケレンを経て、20年に横浜に加入。昨年7月には日本代表にまで上り詰めていた。そのキャリアを踏まえての発言を受け、小池も「では、ナレーションに」と斎藤にリクエストした。

斎藤はさらに、小池から自身の名前入りの背番号12のユニホームを贈られた。まるで新入団会見のような雰囲気に会場が包まれると「41歳、頑張ります…12人目のつもりで応援してきましたが」とあいさつした。そして「1人1人にドラマがあって…究極のエンターテインメントをマリノス、サッカー、スポーツにいただいている。年齢を重ねると人間は老いていく…。でもときめくもの、栄養を忘れず未来にいきたい」と横浜とサッカー、スポーツに感謝した。

さらに、WBCで3大会ぶり3度目の世界一に輝いた侍ジャパンを踏まえ「野球もそうですけど、スポーツが僕らに与えてくれる力はただものではない。マリノス、サッカーからエネルギーをもらって、自分の表現で恩返ししたいし、1サポーターとして応援し、いろいろなドラマを目撃したい」と熱く訴えた。

「横浜F・マリノス創設30周年記念ドキュメンタリー Beyond Together」は、横浜のホーム神奈川県と東京都の11館で、17日から劇場公開している。