1912年に北大西洋で沈没した豪華客船タイタニック号の残骸を見学するツアー中に潜水艇が消息を絶った事故で、5人の乗員の1人で英実業家で探検家のヘイミッシュ・ハーディングさんの義理の息子が、行方不明の最中にコンサートに出かけたことをSNSで明かして炎上している。

ハーディングさんの妻の先夫との間の子ブライアン・サース氏(37)は、18日に潜水艇の消息が分からなくなり、内部の酸素残量と戦いながら懸命の捜索が続く中、翌19日に自身のフェイスブックに米カリフォルニア州サンディエゴで行われた米ポップ・パンクバンド、ブリンク182のコンサート会場で撮影した写真を投稿。「ここにいるのは不愉快かもしれないけど、家族は私がブリンク182の公演に参加することを望んでいた。なぜなら、私のお気に入りのバンドだし、音楽は困難な時に助けになるから!」とコメントし、グッズ販売のテントの前でブリンク182のTシャツを着てほほ笑む自身の写真を投稿した。

サース氏はこの投稿のわずか20分前に義理父が潜水艦に乗船していた5人のうちの1人であることを明かす投稿をしたばかりで、安否不明の状況下でお気に入りのバンドの公演を見に行ったと報告した鈍感さに批判が殺到。その後、母親からの助言でこの投稿は削除されたが、ネットではスクリーンショットが拡散され、米ニューヨーク・ポスト紙など多くのメディアで報道される騒ぎとなった。

同氏はその後も、「あなたの上に座っていい?」とコメントを添えた英国に拠点を置くソーシャルメディアサービスOnly Fansのセクシーなビキニ姿のモデルの写真に「イエス、プリーズ!」とコメントを添えて写真を共有。「今これをツイートするのはありえない」「この男はビキニとブリンク182が好きで、自分の顔の上に女の子を座らせたいと世間に知られることを恐れていないようだ」と批判のコメントが多く寄せられ、空気の読めなさで再びネットが炎上した。

米ラッパーのカーディ・Bは、インスタグラムのストーリーで「家で悲しんで泣き、お母さんを慰めていないとだめでしょ」などと批判。それに対して「クズなセレブ」「恥を知れ」などと怒りをあらわにした同氏の反論に対し、世界中が無事を祈る中で、息子はオンラインで女性に興奮したり、コンサートに出かけたりしていると反応するツイートを投稿。「自分で義理の息子だと名乗るまで、誰もあんたが誰なのか知らなかった」「甘やかされて育ったガキの億万長者」「鈍感」などと痛烈に皮肉った。

ハーディングさんは、南極を2度訪れているほか、民間宇宙開発企業「ブルー・オリジン」による有人宇宙船に搭乗して宇宙を訪れていることでも知られる。米海底探索会社オーシャンゲート・エクスペディションズが所有する潜水艇で沈没したタイタニック号を見に行く観光客向けの深海潜水の費用は、1人25万ドルに上ると伝えられている。

米沿岸警備隊は22日、潜水艇の破片を海底で発見したと発表し、乗っていた5人全員の生存は絶望的だとの見解を示した。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)