ベネチア映画祭(イタリア)授賞式が9日(日本時間10日)行われ、濱口竜介監督(44)の「悪は存在しない」(24年公開)が審査員グランプリ(銀獅子賞)を受賞した。

21年に「偶然と想像」がベルリン映画祭(ドイツ)審査員グランプリ(銀熊賞)、前作「ドライブ・マイ・カー」がカンヌ映画祭(フランス)で邦画初の脚本賞を受賞しており、世界3大映画祭で主要賞を受賞。同作は昨年、米アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞しており、黒澤明監督以来の4映画賞完全制覇をわずか2年半で達成した。

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村の何でも屋の男性を演じた主演の大美賀均(おおみか・ひとし=34)の本業は映画製作者だ。「偶然と想像」で製作を担当し、初監督作「義父養父」の完成・公開を予定する。濱口監督が「最初の脚本を書く前に一緒にドライブ、まき割りして考えた」と語るのを聞き「想像よりすごい所にいる」と驚いた。芸能事務所担当者役の小坂竜士(37)も「ドライブ・マイ・カー」に製作として関わり、今作を機に俳優業を再開。渋谷采郁(31)も「ハッピーアワー」から俳優を開始と、俳優でなかったり著名ではない役者を起用し世界の高みに上り詰める濱口監督の真骨頂が再現された。