7月に宝塚歌劇団を退団する月組トップ月城かなとが17日、同時退団する相手娘役の海乃美月らとともに、大阪・梅田芸術劇場で、プレ退団公演となるコンサート「Grand concert『G.O.A.T』~Greatest Of All Time~」の初日を迎えた。監修・演出は石田昌也氏、構成・演出・振付には三井聡氏を外部から招いた。公演は同所で31日まで。

次作本拠地作で退く月城・海乃のトップコンビにとっては、今作が“プレ・サヨナラ”。それでも月城は「私1人の舞台ではなく、あくまでも出演者全員で作り上げた作品にしたい」との思いを寄せ、鳳月杏、風間柚乃、礼華はる…35人によるコンサートとなった。

「ブラック・ジャック」「フリューゲル」…。雪組時代の「銀二貫」「るろうに剣心」なども含め、月城の歩んできた作品をたどり、歌とダンスで紡いでスタート。ここまでの軌跡をたどり、海乃、鳳月、風間らとともに歌い、踊った。

タカラジェンヌとしての基礎を学んだ宝塚音楽学校ならぬ「月ノ塚音楽学校」を舞台にしたシーンでは、月城が教師にふんし、コミカルな場面も。女役にふんした鳳月ともからんだ。

中盤過ぎには月城が、鳳月、風間とJポップなどを披露するコーナーもあり、トークも展開。昨年12月から稽古を始め、月城は「クリスマス、正月を過ぎて、やっと」と言い、舞台は幕開けを迎えた。

初日前日の16日には通し舞台稽古で最終確認。前作本拠地作はコロナ禍、インフル禍で、休演があっただけに、月城は「明日の初日から千秋楽まで、みんな健康で、頑張りたい」と約束し、開幕に備えた。

今公演が終われば、サヨナラ公演が控える。最後の公演は3月30日に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「Eternal Voice 消え残る想い」「Grande TAKARAZUKA 110!」。劇団110周年作になる。【村上久美子】