芸能界における交渉、訴訟などに詳しいレイ法律事務所の河西邦剛弁護士が28日、TBS系「サンデージャポン」(日曜午前9時54分)にVTR出演。ダウンタウン松本人志(60)が自身の2015年の一般女性への性的行為強要疑惑を報じた「週刊文春」を発行する文芸春秋などを提訴した件についてコメントした。松本の疑惑について、文春は4週連続で報じている。

河西氏は「最終的に松本さんの性加害が判決で認定された、そうなってくると吉本興業としても各スポンサー企業と契約している広告出演契約、これが違反契約になってくるので、各企業から違約金を求められる可能性もあります」と話し「かつ、さらに言えば、吉本の方から松本さんに対して、違約金や損害賠償請求をするということは十分にありえますね」とした。

1月22日に吉本興業は松本の代理人、田代政弘弁護士のコメント全文をHPに掲載した。河西氏は「松本さんの代理人のコメントは絶妙」として「これ性的行為が一切なかったとは言っていないわけなんです。あくまで言っているのは『当該記事に記載されているような性的行為』はなかったと言っているにすぎないので、今後の訴訟展開に合わせて、どっちとも言えるような言い方をしておいたということかと思われます」と解説した。

今後の裁判の流れについて「今回の最大のポイントは証人尋問になってくる。被害を受けた状況について(被害を受けたという女性の)Aさん、Bさんが具体的に詳細に一貫性をもって証言できるかどうか、逆に松本さんの弁護士からすると、8年もたっているんだからっていうところでAさん、Bさんの信用性を崩していく反対尋問にしていく」と説明した。

松本の出廷に関して「ほぼ確実に出廷すると思われますし、逆に出廷しないとなってくると、松本さん側にとっては不利になってきますね」などと話した。

報道をめぐっては、今月8日に吉本が「さまざまな記事と対峙(たいじ)して、裁判に注力したい」という松本の意向を受けて、松本の活動休止を発表。今後の裁判について代理人は「記事に記載されているような性的行為やそれらを強要した事実はなく、およそ『性加害』に該当するような事実はないということを明確に主張し立証してまいりたいと考えております」とした。一方、文春側は同社サイトで「週刊文春」編集部のコメントを発表。「一連の記事には十分に自信を持っています。現在も新たな告発者の方々のお話をうかがい、慎重に裏付け取材をしております。提訴によって委縮することなく、今後も報じるべき事柄があれば、これまで通り報じてまいります」としている。