芸能界に詳しいレイ法律事務所の河西邦剛弁護士は31日、TBS系「ひるおび」(月~金曜午前10時25分)に出演し、昨年10月期放送の日本テレビ系連続ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家の芦原妃名子さんの訃報を受けて、今後は原作者をサポートする代理人的な役割の人を配置することが必要との認識を示した。

芦原さんは29日に栃木県内で発見され、死亡が確認された。50歳だった。28日夜に知人から警視庁に行方不明届が出されていた。直前に、ドラマ内容についてスタッフと意見の食い違いなどがあったことを自身のSNSで明かしており、その後、当該文章などを削除。28日午後に「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と投稿していた。 河西氏は、日本テレビと芦名さんの間に、「許諾」をめぐる認識のズレがあった可能性を指摘。「クリエーター側、原作者の方と、条件交渉ができる立場の方を付けていくところがポイントかなと思っている」と述べた。

「芸能人の場合は事務所が交渉をしてくれるし、エージェントといって弁護士がつく場合もあるが、原作者の場合はなかなか(本人に代わって交渉してくれる人が)ない。代行しているのが出版社の方だが、あくまでも出版についての業務の責任を負っている。マネジメントやエージェント業務について責任を持っているわけではないし、交渉まで全部担っているわけではない」と述べ「原作者の方の権利を守るという役割が、必要になってくるのではないか」と指摘した。

一方、八代英輝弁護士も「今までは、プロデューサーの方が仲介役に入って説明役も買って出ていたと思うが、コミュニケーションの点ではどうしても伝言ゲームのようになる。真意が伝わらないことが積み重なり、今回のような不幸なことになってしまうことを繰り返さないためには、関係当事者全員がしっかりコミュニケーションを行っていけるような環境づくりが、特に番組製作の前半段階で必要と思う」と指摘した。

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