昨年12月31日に肺塞栓(そくせん)症で89歳で死去した女優、タレント中村メイコさんの「乾杯で送る会」が18日、都内ホテルで営まれた。

長年親交があった黒柳徹子(90)が弔辞を寄せ、中村さんの長女で作家神津カンナ氏が代読した。黒柳はテレビ朝日系「徹子の部屋」の収録日のため欠席した。弔辞は以下の通り(抜粋)。

「『私のお葬式の弔辞は、あなたが読むのよ。そう決めたから絶対よ』。あなたは、いつも私にそう言ってたわね。『徹子の部屋』にあなたがいらして、その6日後に亡くなった時、私は本当に驚いたのよ。(中略)『私は2歳半から女優やってるからあなたより芸歴長いでしょ。だから、あなたより先に死ぬから、あなたが弔辞読むの』。有無を言わさず、楽しそうに、あなたはそう言ったの。

それにしても、あなたは『徹子の部屋』に出てくださる時、必ずプレゼントを持って来てくださったわね。アクセサリーとか、お化粧品とか、お洋服とか。でも不思議なことに、最後にいらした時だけ、おみやげなかった。いつものあなたなら『ごめんなさい、おみやげ今日は、忘れちゃった』とか、そんなふうな言い訳があるはずなのに、最後の日は、おみやげもなく、言い訳も、なかったわね。もし違うことがあったとしたら、そこだけが違ってた。

そして、『徹子の部屋』に、必ず、お話のおみやげも持って来てくださった。しかも、びっくりするようなお話を。(中略)笑わせて、泣かせるメイコさん、あなたはサービス精神いっぱいの方でしたね、最後の最後まで。

でも考えてみれば、娘を2人産んでから、息子がいないのは、つまらない、と言ってて、男の子も産むことになって。そこで孫が生まれて。こんなに恵まれた女性は、そうはいないと思います。しかも、ちゃんと育てて。

メイコさん、あなたがいらっしゃらなくなってさみしくなります。今後、お会いすることがあったら、もっとたくさん、お話ししましょうね。長いこと、お友達でいてくださって、ありがとう。私は、もう少し、生きてみます。あなたのご家族を、お守り下さいね。ついでに私のことも。あなたがいらっしゃらないこの世がつまらないこと、繰り返しお伝えします。じゃあね、あなたの気に入る弔辞かわからないけど、お送りします。バイバイ! 2024年3月18日 黒柳徹子」