フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」(日曜午後6時)が24日、放送された。3月4日に63歳で急死した声優TARAKOさんが主人公まる子(さくらももこ)役を務めたラスト放送は「みんなに幸せいっぱい、きますように!春のお楽しみ1時間スペシャル」と題して放送された。

この日は4本立てで、TARAKOさん最後の新作「『まる子、水の味がわかる?』の巻」が飾った。最後は「TARAKOさん ありがとうございました」とテロップが掲出された。

さらにTARAKOさんの声で「私、小学校3年の時のさくらももこです。小さかったから、ちびまる、なんて呼ばれて、下に子を付けて“ちびまる子ちゃん”なんて呼ばれていたの。私んちは家族6人、じいちゃん、おばあちゃん、それにお父さんにお母さん、そしてお姉ちゃん」とナレーションした。

X(旧ツイッター)では「TARAKOも普通に元気な声だよね…亡くなって悲しい」「今やってるTARAKOさんの最後のまるちゃん 胸いっぱい TARAKOさん今まで本当にありがとう」「これがTARAKOさんの最後の作品。長い間お疲れ様です。ありがとうございました」などと書き込まれていた。

この日の番組オープニングは渡辺満里奈の「うれしい予感」が使用された。95年1月8日から96年5月26日まで使用されていた。作詞はさくらももこさん、作曲は大瀧詠一さん。さらにナレーションはキートン山田、お姉ちゃんの声優に16年に亡くなった水谷優子さんが務めた回もあった。

TARAKOさん(本名非公表)は4日未明に63歳で死去。群馬・太田市出身。死因は明らかにされていない。81年にアニメ「うる星やつら」で幼稚園児役として声優デビュー。90年1月7日にまる子役として「ちびまる子ちゃん」がスタート。同アニメは、最高視聴率39・9%、平均でも25%を獲得し“まるちゃんブーム”を巻き起こし代表作となった。オーディションで原作者のさくらももこさん(18年死去)の声と似ていたため抜てきされたという逸話もある。

TARAKOさんの訃報が公になってから初めての放送となった今月10日の放送では番組冒頭で、桜の木が並ぶ絵をバックに「1990年の放送開始から34年以上にわたりまる子役の声優を務めていただいたTARAKOさんが逝去されました。天真らんまんで、みんなに愛される『まる子』を大切に演じてくださったTARAKOさんのご冥福を心からお祈りいたします。長い間、本当にありがとうございました キャスト・スタッフ一同」メッセージが表示された。