タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校の112期生合格者が26日午前、兵庫県宝塚市の同校から発表され、40人が入学手続きに入った。

今年の受験者数は480人、競争率は12・0倍で、今世紀に入って最少。昨年の111期生は受験者数612人、競争率は15・3倍で、前年比3・3ポイント減。4年連続で今世紀ワーストを更新する形となったが、それでも高い競争率を勝ち抜いてつかんだ夢へ続く切符に相違ない。

大阪府茨木市の赤井七海さん(16)は、高校1年で2度目の受験。小学2年で、花組公演を見て宝塚歌劇に魅了されレッスンに励んだ。満面笑みで「夢の中にいるような気分です。ダイナミックなダンスができる男役になりたい」。あこがれのOGには、先日退団した元雪組スター和希そらをあげ「歌もダンスも芝居も、すべて上手になりたい」と目を輝かせた。

また、娘役志望の奈良県からきた受験者(16)は、2度目の受験で合格。「ずっと夢でした。立っているだけで華のある娘役になりたい」と笑みをこぼした。

宝塚音楽学校の生徒が卒業後に進む宝塚歌劇団をめぐっては、昨年9月に25歳宙組団員が急死。理由をめぐって遺族側と劇団側が代理人交渉を続けている。その最中での受験にも、心が揺らぐことは「なかった」と言い、思いには「これを機に、変われることは変わり、悲しいできごとではありましたが、より皆さまに愛される宝塚歌劇団になればいいなと思っています」と思いを口にした。

「ずっと夢を見てきた世界。うれしい気持ちに変わりありません」と続け、夢へ1歩踏み出した。

宝塚音楽学校112期合格発表 競争率12倍で受験者数今世紀最少 4年連続ワースト更新