タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校の112期生合格者が26日午前、兵庫県宝塚市の同校から発表され、40人があこがれの扉を開く切符を手にした。

今年の受験者数は480人、競争率は12・0倍で、今世紀に入って最少。昨年の111期生は受験者数612人、競争率は15・3倍で、今世紀最少だったが、前年比3・3ポイント減。4年連続で今世紀ワーストを更新する形となった。

コロナ禍以降取りやめられている学校敷地内での合格者番号掲示は、今年も復活せず、5年連続で掲示がなかった。加えて今年は、個人情報保護の観点から、合格者名の報道公開も取りやめられた。

宝塚音楽学校の生徒が卒業後に進む宝塚歌劇団をめぐっては、昨年9月に25歳宙組団員が急死。理由をめぐって遺族側と劇団側が代理人交渉を続けている。

音楽学校では、その因果関係にはコメントをしなかったが、今回の受験者数減少への影響は否定できない。

ただし、それでも依然として2桁の競争率を維持しており、難関に相違はない。宝塚歌劇の舞台への思い入れが強い受験者も多く、「記念受験が減ったのではないか」と、熱量の高い受験者が多かったとの見方もある。

学校では、コロナ禍も明けて、オンライン授業はなくなり、かつてのように本科生、予科生の交流も戻っている。今後の学校生活についても、学校と一体となって生徒が話し合った。

同校では「今回、112期生を迎えるにあたり、本科生、予科生が必要なもの、ルール、必要でないものを話し合って、学校側とも一体となって、改革を進めている」とも話す。

生徒が主体となったルール改革も年々、進めており、合格した40人は4月19日の入学式をへて、2年のレッスンを控えている。