女優広末涼子(44)が16日早朝、浜松西署から釈放された。記者は同署へ取材に行き、署から出てきた広末を目撃した。
まだ太陽がオレンジ色の光を放っていた朝6時半前、黒い服に身を包んだ広末が報道陣の前に現れた。神妙な面持ちで、強風に髪の毛をなびかせ、ゆっくりと頭を下げた。頭を上げ、穏やかにほほ笑み、話題になった黒いワンボックスカーに乗り込んでいった。わずか1分程度の出来事だったが、どこか美しさすら感じてしまう、映画のワンシーンのような瞬間だった。
異例の早朝の釈放に、現場にいた記者も驚いた。前日の午後7時半、自宅でデレビを見ていると、会社から電話が来た。「今から浜松に行ってもらえないか」。“イエスマン”の記者は二つ返事で「行きます」と答え、5分で荷物をまとめて浜松へ向かった。自宅から最寄り駅へ歩きながら、与えられたミッションの大きさに震え上がった。
新幹線の中でホテルを予約し、翌朝の計画を練った。心配性の記者はなんとなく不安になり、予定より早い午前5時半に現場に到着するようにした。翌朝、予定通り署に着いた。
敷地内では警察官が慌ただしく動き回っていた。報道陣向けのカラーコーンが置かれ、出入り口には警備の人員が多数配置されていた。報道陣はほとんどいないのに、警察官らの表情は張り詰めているようだった。「これは、もう出てくるかもしれない」。予感を察知してすぐにデスクに伝え、カメラマンと合流。そして到着から1時間もたたないうちに広末は姿を見せた。ドラマやニュース映像で見る警察署から出てくる瞬間のシーンといえば、日が暮れて照明をたいた報道陣の前に出てくることが多かった。それだけに、異例ともいえる早朝の釈放で驚きは大きかった。
「もし到着が少し遅れていたら…」と考えると背筋が凍るが、2年目になったばかりの経験の浅い記者に貴重な取材を任せてもらい、その期待になんとか応えられて、胸をなで下ろした。
言ってしまえば現場で見ていただけだったが、世間の注目を集めたこの騒動の重要な瞬間をこの目で目撃して、高い希少性とともに記事を書けたことは貴重な経験だった。【野見山拓樹】



