落語家林家なな子(43)が23日、東京・上野の鈴本演芸場で「真打昇進襲名披露興行」を行った。口上で林家彦いち(56)柳家喬太郎(61)金原亭馬生(78)に続き、師匠の9代目林家正蔵(62)が口を開いた。

「一門の長女です。先日、家に来まして、用事を頼んだら『ハ~イ』と言って、うちの自転車に勝手に乗って飛んで行きました。その後ろ姿を見たカミさんが『あの人、ちっとも変わんないね。良い子が来てくれた』って言ってました。つらいことがあっても、ひと言も愚痴を言わない。つらい姿も見せない。そんなおばさんです!」

師匠の言葉に、いつもは元気いっぱいのなな子も目頭を熱くして、大きくうなずいていた。

林家正蔵一門では正蔵の父、初代林家三平の弟子の林家ペー(83)林家パー子(77)の自宅が、19日に火事にあったばかり。その一方で、なな子の真打ち昇進は明るい話題だ。

トリを務めた高座では「徂徠豆腐(そらいどうふ)」を演じた。貧しい生活を送っていた江戸時代の儒学者荻生徂徠(おぎゅう・そらい)が出世したのち、恩義ある豆腐屋に恩返しをするという人情もの。師匠正蔵の恩義に報いたいと頑張ったなな子を地で行った噺で締めくくった。

次回は、同演芸場の26日夜の部に登場する。