年度が変わり新たに後輩を迎えた4月、記者は先輩・後輩に関連する心あたたまるエピソードに触れた。日向坂46正源司陽子(19)を取材した際のものだった。

正源司は4月から「日向坂46正源司陽子のオールナイトニッポンX」の新パーソナリティーに就任した。持ち前の物腰の柔らかさや語彙(ごい)力を生かし、トークを展開。約1時間の生放送に体当たりで向き合っている。4月前半の放送分を振り返り「まだまだ気になる点があって…」と反省しつつも、回を重ねるに連れて改善に取り組むトライ&エラーの姿勢が印象的だった。

パーソナリティー就任が決定したその日に、ネタ帳を作るべく書店へ行き、気に入った手帳と書きやすいペンを選んだという。準備は万全…と思いきや、やはり募る不安。同番組の先代パーソナリティーで卒業したばかりのグループの先輩、松田好花(27)へメッセージを送った。すると、松田は、直接会って話をする機会を設けてくれた。

「聴いてくださる方は受け入れてくれるから大丈夫だよ」と金言を授かり、「この言葉は自分を守ってくれる大切な存在」と大きな安心感を得た。

ところが、授かったのは言葉だけではなかった。「プレゼントがあるっておっしゃっていて。なんだろうなと思っていたら、めちゃくちゃかわいい手帳をいただきました。まさか手帳がかぶってしまうとは(笑い)」。自身で手帳を買ったばかりだったが、松田からの大きな愛を感じた。「こんなに愛のある先輩からの贈り物は絶対に使いたいと思いました」と当時の感動を言葉にした。

結果として、「自分で買ったものはいわゆるネタ帳として、毎回ラジオのスタジオに行く前に清書をして、持っていっています。松田さんからいただいたものは日記として『今日は○○があった』と書いて、ネタがなくなったときに見返して思い出して、これをしゃべろう、みたいなきっかけとして使っています」と使い分けることにした。「二頭使いですね」といい、「なので最近、ちょっとカバンが重いんです」と笑った。

カバンには先輩からの愛が詰まっている。ネタ帳に追記するべく日記を開けば、先輩からの愛を思い出すことができる。ネタ帳が充実すればするほど、日々の出来事を書き留めれば書き留めるほど、カバンを持って感じる“重さ”は増していくだろう。先輩からの大きな愛を感じながら、正源司は冠番組へ挑み続ける。【寺本吏輝】