現役最長トップコンビ、宝塚歌劇団星組トップスター柚希礼音、相手娘役・夢咲ねねの退団公演「黒豹(くろひょう)の如(ごと)く」「Dear

 DIAMOND!!-101カラットの永遠の輝き-」が6日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。3月9日まで、東京宝塚劇場は3月27日~5月10日まで。

 芝居「黒豹-」は、うたかたの恋など名作を送り出した柴田侑宏氏(83)の10年ぶりオリジナル作。柚希ふんするスペイン海軍大佐が、かつての恋人で夫を亡くしたカテリーナ(夢咲)と再会して描く大恋愛劇だ。

 夢咲との熟練コンビらしい熱演に加え、圧倒的な存在感で魅了してきた柚希ならでは、スペイン海軍大佐の衣装もりりしく着こなし、貫禄も存分に示した。

 ショーは得意のダンス、見せ場の連続。抜群の運動神経を生かしたリベルタンゴで幕を開け、ダイナミックな踊り、夢咲とのデュエットダンスもふんだんに取り入れられた。

 組メンバーがみこしで担ぎ上げてお祭り騒ぎをし、サヨナラを演出する場面も。後輩へ「夢は簡単につかめない」とのメッセージをこめた作詞曲「たからづか」も披露した。99年の初舞台「ノバ・ボサ・ノバ」新人公演で演じた出世役・ドアボーイの成長も描かれている。

 09年4月のトップ就任から、5月の退団まで在位は6年13日。平成以降では和央ようかに次ぎ、2人目の6年超え。近年のトップは、2年大劇場4作がおおよそのメドになっており、柚希のケースは異例。昨年11月には真矢みき以来、劇団では16年ぶり2人目の日本武道館公演も成功させ、「トップ・オブ・トップ」の称号にふさわしい地位を築き上げてきた。

 入団16年の男役集大成へ向け、柚希は「終わりとは思わず、楽しくやりたい」と話し、REONレジェンドの終幕へ走り始めた。