「ラブユー東京」などのヒット曲で知られるロス・プリモスのボーカル兼リーダーの森聖二(もり・しょうじ)さんが18日午後1時、心不全のため都内の病院で亡くなった。70歳。通夜は21日、葬儀・告別式は22日に、いずれも都内で近親者のみの密葬形式で営まれる。後日お別れの会を開く。

 森さんは17日午後に自宅で倒れ、妻の富美子さんが救急車を呼び緊急入院した。すでに心臓が止まっている状態で、電気ショックなどで1度は蘇生(そせい)したが、意識は戻らぬまま翌18日、長男、長女ら家族に見守られて息を引き取ったという。

 森さんは65年、ラテンコーラスグループ、黒沢明とロス・プリモスにメーンボーカルとして加入。以来オリコン9週連続1位の代表作「ラブユー東京」「雨の銀座」など、その甘い歌声で昭和の歌謡界を支えてきた。06年1月には心筋梗塞(こうそく)で約2カ月入院。1日80本近く吸っていたたばこを止め、大好きなお酒も減らすなど健康には気を配っていたという。今年4月、黒沢明さんが他界した時はひどく悲しんでいたといい「次はおれかなあ」と冗談めかして話していたという。

 ロス・プリモスはこの日、悲しみの中、埼玉県内でディナーショーを行い、ファンに森さんが亡くなったことを報告した。森さんの代わりにメーンボーカルとしてステージをやり遂げたメンバー上野旬也は「昨日、病院に駆けつけた時はもう意識がなくて…。本当にショック」と沈痛な表情。ロス・プリモスの今後については「いい曲がたくさんある。森さんのためにも歌い継いでいかなくては、と思う」と活動を継続を誓った。

 [2009年10月19日8時24分

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