俳優舘ひろし(63)と女優浅野温子(52)が夫婦役で共演するTBS系金曜ドラマ「なるようになるさ。」(12日から金曜午後10時、初回のみ9時から2時間)の制作発表会見が3日、都内で行われ、橋田寿賀子氏(88)の手掛けた台本を、舘がアレンジしていることが明かされた。

 暴露したのは“橋田ファミリー”の泉ピン子(65)だ。「『渡る世間』を23年。(助詞の)て、に、を、は、を一字一句、変えちゃいけないと思い込んでた。台本読みで、舘さんが『私』と書いているのを『僕』と言っただけで心拍数が上がった。私の23年はなんだったんだろう」。

 思わぬ先制パンチに、舘は「先生の方から『好きに切っていいわよ』と…」と苦笑いしたが、橋田氏は、すぐに「意図が見て下さる方に伝わったら、どんなに変えてもいいという条件で出演していただいた」とフォローした。その上で「壊してくださることで違う味が出る。楽しみ」「台本は書いたら嫁にやった娘と思っている。俳優さんが勝手に動けばいい」と持論を展開した。ただ、泉から「渡鬼」でのせりふ変更の可否を聞かれると、橋田氏は否定した。

 関係者は「舘さんが主演する今回だから認めたという部分は強い」と語った。「鬼ばかり書いておりましたが、やっと違うドラマを書かせていただいた」と語るように、橋田氏は新たな挑戦に強い意欲を持っていた。TBSで23年間続いた「渡る世間は鬼ばかり」と一線を画した新しいドラマのキーマンとして舘と浅野を希望し、決まってから脚本を書いた。

 舘は橋田氏の思いも踏まえ、「みなさん、せりふが長くて大変とネガティブに捉えるけれど、お話はすごく面白い。ト書きがほとんどない分、自由で楽しいです」と明かした。新たな“橋田ワールド”を、舘と浅野の夫婦が作っていくことになりそうだ。【村上幸将】