NHK連続テレビ小説「マッサン」(月~土曜午前8時)のヒロインで、米女優のシャーロット・ケイト・フォックス(29)が10日、同作終了後も日本で女優活動を続ける意向を明らかにした。既婚を公表し、両親も米国に残しているが、家族を説得した上で日本に残ることになりそうだ。

 シャーロットはこの日、大阪市・今宮戎神社の「宝恵(ほえ)かご行列」に参加していた。伝統行事「宝恵かご」に乗り、幸運を祈願。取材陣に自らの幸せを問われ、思いを語った。

 「この仕事を続けられるように。日本で女優を。ずっと、日本で女優の仕事をしたい。それが幸せです」

 米国の舞台女優だったシャーロットは、昨年1月、「マッサン」のオーディションを受けるために初来日した。以来、日本を拠点に日本語の習得、勉強と収録を並行させてきた。ヒロイン発表時の会見では「大切な人がいる」と既婚であり、両親ら家族も米国に残していることも明かしていた。当時から「マッサン」終了後の動向が注目されていたが、ドラマ収録も終盤に差しかかり、初めて「日本残留」を口にした。

 番組関係者によると、収録が休みだった昨年末から今年明けには、母が来日。日本での活動継続を家族に伝えたようで、シャーロットは「お母さん、多分、怒ってます」と言った。現在は大阪で生活しているが、今後の活動に向け、所属事務所のある東京で、新たな拠点を作る計画も進めている。朝ドラ終了後の仕事については「シークレット!」と言ったが、既に女優としてのオファーが複数届いているという。

 米国から来日して活動した女優としては、79年の日本テレビ系「熱中時代・刑事編」にヒロイン役で出演し、後に水谷豊と結婚、離婚したミッキー・マッケンジーがいる。だが、ミッキーの「熱中時代」後の芸能活動は順調ではなかった。女優として役柄が限定されるからだが、シャーロットは、それも覚悟の上のようだ。

 ドラマでは、スコットランドに家族を残し、ウイスキー作りに情熱を注ぐ玉山鉄二演じる夫を支える妻エリーを演じている。役柄と重なるシャーロットの人生を懸けた挑戦は、「マッサン」後に本格化する。【村上久美子】

 ◆シャーロット・ケイト・フォックス

 1985年8月14日、米ニューメキシコ州生まれ。子供時代は家にテレビのない生活を送り、サンタフェ大でダンスを学び、ノーザンイリノイ大で演劇を専攻。並行して舞台やミュージカル、独立系映画に出演していたが、日本作品の出演経験はなかった。14年の初来日時は、金髪ではなかった。共演者からは「シャロやん」と呼ばれている。167センチ。