履正社が土壇場の逆転劇で関大北陽を破り、2016年以来10年ぶりとなる春優勝を手にした。
打線は2回、先頭が安打で出塁すると四死球や相手のエラーが絡み幸先良く3点を先制する。投げては先発の上山篤慶投手(2年)が3回まで無失点。4回に四球と三塁打で1点を返されると、続く5回に先頭から2者連続死球を出したところで投手交代し、2番手の加賀田蒼介投手(3年)は犠打で1死二、三塁とされ、続く打者に一塁への適時内野安打を浴び1点差に。味方のエラーや野選も絡み、結果的にこの回一気に5点を失い逆転された。
それでも6、8回と1点ずつを返し1点差で迎えた9回。1死から四球で出塁すると、6番小杉悠人内野手(3年)が「(カウントが)1-3になった瞬間に多田先生から『思い切っていけ』と言われたので。もう絶対1球で仕留めるって気持ちで、もう何も考えずに。とにかく、それがいい結果につながったなと思います」と右翼への同点適時二塁打。その後、多田晃監督(47)が「策はどこかで出そうと考えてました。川口はこの春から急成長して。秋も全然入ってなかったんですけど。春のオープン戦でもずっと使ってたくらいバッティングが良くて」と話し、8回の守備から入っていた9番川口壱茶内野手(2年)の左犠飛で勝ち越した。その裏、前日9日の準決勝で完封勝利の木村颯投手(3年)が登板し、0で抑えてゲームセット。ベンチにいたナインは最後のアウトを見届けた瞬間に喜びを爆発させながらマウンドで輪を作り、多田監督も「ああいう展開で、勝ち越せて勝ち切れたっていうのは、収穫やったなと思います」と喜んだ。
主将・辻竜乃介内野手(3年)は、優勝旗を手にして「こんなに重いんだって思いましたね」と実感。昨秋は5回戦で敗退となったが「早くに負けてすごい悔しい思いをしたのが事実なんで。そういうところから今日の結果につながったと思います」と大きなきっかけとして乗り越えた。チームをまとめる辻は、この試合の苦しい場面でも「履正社の野球っていうのは、やることをやったら絶対に勝てるチームだと思っているので『自分たちの野球をしよう』という話はしました」とベンチで声をかけた。また、辻は中日でプレーしていた祖父哲也さん(享年75歳)と、現在西武でファームチーフコーチを務める竜太郎さん(49)を家族に持つ。試合前には父から「『頑張れ』ということはいつも言ってもらってます」と、この試合もそれに応え8回に1点差に迫る貴重な適時打を放った。
高校最後の夏ももうすぐやってくる。この春は4強で姿を消したがセンバツVの大阪桐蔭について「同じ大阪のチームで、日本で一番のチームなので。やっぱりそこを倒すことによって、夏に甲子園に出た時にも自信を持って行けると思う」とライバルを倒し、夏も大阪の頂点をつかんで甲子園のグラウンドに立つ。

