求めるのはくせ者ではなく、真の実力者-。巨人元木大介ヘッドコーチ(48)が、正二塁手の出現を強く訴えた。5日、都内で行われたトークショーに参加。

ファンの質疑応答で「期待の選手は?」の問いに「全員期待しています」とした上で「特にセカンド」と続けた。「下から出て来たら、使いますよ。黒田、増田陸もいいアピールをしている」。育成の黒田の名前も候補に挙げた。

長らく二塁を固定できていない。16年ドラフト1位の吉川尚は19年シーズンの開幕スタメンをつかんだが、故障で離脱。93年組の田中俊、若林、増田大、山本もチャンスを与えられながら、定位置獲得には至らなかった。元木コーチは「俺がやるぞという気持ちにならないと。『花の93年組』と言われているけど、誰も花咲いていない。学童野球ではない。プロなので。いいかげん、いい年なんだしさ」とちくりだ。

他球団を見渡せば、広島菊池涼、楽天浅村と、チームの顔とも言うべき正二塁手が打線、守備両面で存在感を示している。今季は東京五輪開催の影響で開幕も早まる。「のんびりしてる人はいないと思うんだけど、いたらいたで、しょうがないんじゃない。その代わり試合に出られないよね。それはもう本人次第だから」と最低限の言葉にとどめた。ベテランも、もちろん若手も。レギュラーと呼べる「セカンド」を待ち望んでいる。そのピースが、絶対唯一の目標である日本一奪回に直結している。【栗田尚樹】