日米通算112勝、139セーブを記録したヤクルト斎藤隆投手コーチ(49)が、野球離れを止めるための持論を明かした。

参加者から野球人口の減少についての質問を受けると、メジャーリーグの年金制度について説明。「10年間プレーすると、年金は満額で2000万円。すごい金額ですよね」と話した。

メジャーの年金は1日でも選手登録されれば受給資格を得られ、在籍期間が長いほど受給額も増える。引退後の生活が保障され、元プロが別の仕事との掛け持ちではなく、少年野球の指導に専念できる。「(日本も)保障をいかに作っていくか、ということ。プロ野球の魅力は何かを考えなければいけない」と話した。

米国では少年野球でも「本気で上を目指すチーム」と「ゆるく野球を楽しむチーム」がそれぞれ成立しているという。「行政や法律も絡んで簡単ではない」と前置きした上で、球場の一部を無料開放する案も披露。メジャーでは無料エリアがある球場があり、低所得者や子どもが観戦可能。楽しさを知った子どもが次は外野席、社会人となり内野席へ、大金を稼いでバックネット裏へ、経営者となってVIPルームへとアメリカンドリームが広がる。裾野を広げつつ、子どもたちが職業として魅力を感じるプロ野球界を願った。