プロ野球独立リーグ、BCリーグの新潟は新型コロナウイルスの影響で開幕が4月11日から18日に延期になった中、キャンプを続け、調整に励んでいる。

就任2年目の清水章夫監督(44)は手応えを感じてシーズンインを見据える。昨季は前後期とも東地区2位。今季は西地区にカンファレンスを移動するが目標は変わらない。12年以来の独立リーグ日本一と、5年連続のNPBドラフト指名選手輩出を目指す。開幕に備える心境を聞いた。

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清水監督は「昨年より仕上がりはいい」とチームの状態の良さを感じている。オープン戦は25日の武蔵戦(10○2)、28日の石川戦(3○0)とここまで2戦2勝。14日から始まったキャンプの成果を見せながら開幕に向かっている。

-新型コロナウイルスの感染に気を配りながらの練習だが

清水監督 冬から春にかけては常に体調に気をつけています。インフルエンザもありますからね。手洗いやうがいは選手はいつもやっています。特に今は不必要な外出もしていませんし、対策については普段からできています。

-ここまでオープン戦2試合で2勝

清水監督 戦力的には昨年より上がっている。全体的なバランスも。山河楓(18、内野手=神戸弘陵)、大橋輝一(18、内野手=北越)と高校ルーキーが2人加わって年齢的にも若くなった感じがあります。その分、競争も激しくなっていくでしょう。

-自主トレから選手に注文していたことは

清水監督 投手陣にはキャンプに入ったら投球練習ができるように、野手にはどこを守るかは白紙でスタートすると伝えておきました。昨年のキャンプインより投手は投げられる状態だったし、打者もシート打撃を見ても振り込んでいたのがわかる。

-新潟の元監督だった橋上秀樹氏(54)が総合コーチに就任した

清水監督 橋上さんとは旧知の仲。大先輩でもあるし、いろいろと相談しながらやっていきたい。僕は投手出身なので打撃の面は深く教えることはできない。技術的な部分を詰めてやってくれると思っています。

-今季、目指すところは。西地区で戦うが

清水監督 もちろん独立リーグ日本一。やるからには勝ちたいです。そこは昨年と同じです。選手には楽しみながら試合に臨んでもらいたい。地区は移っても昨年も対戦はしているので。試合に関しては大きな影響は感じていない。

-NPBドラフト指名選手を4年連続で輩出

清水監督 昨年、悔しい思いをした選手もいます。石森亨(23、外野手)、前川哲(23、投手)など。彼らは今年こそ、と明確な意志を持っている。今季主将になった内藤晃裕(23、内野手)も昨季終盤から伸びてきた。投手では海老塚耕作(23)も成長株。独立リーグで結果を出さなければ注目されない。そのための練習です。日々の意識をより高く持ってもらいたい。

-昨季は野球人生初の監督を経験。2年目になって変化は

清水監督 技術的なことは気付いたら言っていこうと思っています。昨年は気持ちの面などが多かったので。疑問に思って聞きに来たら、技術面のアドバイスは必要かなと。聞きに来る姿勢があると吸収します。そこは求めていきたい。結果論ではなく、取り組み方の部分で何か言っていくことも必要です。

-2年目に入るにあたり気付いたことや発見は

清水監督 いちばん感じたのは、やっぱり野球が好きなんだな、と。昨年、いい子たちに囲まれて野球ができた。今年も新潟にいないと会えていない選手たちと出会えた。最後にみんなで笑って終われるシーズンにしたいです。【聞き手・斎藤慎一郎】

◆清水章夫(しみず・あきお)1975年(昭50)9月9日生まれ、大阪府出身。大阪高では軟式野球部で投手。近大で硬式に転向し、4年の時に全日本大学選手権で優勝。97年ドラフトで日本ハムから1位指名を受け、入団。00年5月の近鉄戦で初勝利。07年6月にオリックスに移籍し、10年に現役引退。19年1月にBC新潟の監督に就任。プロ通算成績は279試合登板、17勝29敗2セーブ、防御率4・61。

 

【ルートインBCリーグ加盟球団】

◆FUTURE-East(東地区) 福島レッドホープス、茨城アストロプラネッツ、栃木ゴールデンブレーブス、埼玉武蔵ヒートベアーズ、神奈川フューチャードリームス、群馬ダイヤモンドペガサス

◆ADVANCE-West(西地区) 新潟アルビレックスBC、信濃グランセローズ、富山GRNサンダーバーズ、石川ミリオンスターズ、福井ワイルドラプターズ、オセアン滋賀ブラックス