北海道に新たな“ロマン砲”がやってくる。日本ハムは8日、現役ドラフトでソフトバンク水谷瞬外野手(22)を獲得した。身長193センチ、体重99キロというスケール感たっぷりの大型スラッガー候補は、プロ5年間で1軍未出場ながら強肩強打に俊足が特長の未完の大器。父はナイジェリア人でミドルネーム「ジェシー」を持つポテンシャルモンスターが、北の大地で覚醒を誓った。

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日本ハム移籍が決まり、水谷はペイペイドームで取材に応じた。「現役ドラフトの日ってことは分かっていたので、電話いただいた時はそこまで動揺はなかったかなと思います」。すぐに気持ちを切り替えた。「まだ1軍で出たことがない。まずは、そこをスタートラインにしたいです。自分の名前をチームの首脳陣の方やファンの方々に売っていけたら」と前を向いた。

魅惑の“ロマン砲”だ。公表されている身長と体重は193センチ、99キロ。今季25本塁打と覚醒した同学年の万波(192センチ、96キロ)を上回る。強肩強打に加えて50メートル走は6秒と俊足で、身体能力の高さも共通点だ。

ソフトバンクでは1軍の壁を打ち破れなかったが、秘めたポテンシャルは計り知れない。木田GM代行も「スケールを感じさせてくれる野手だと思う。非常に来てくれることにワクワクしている。万波選手のようにリーグトップクラスのパワーヒッターになってくれれば」と期待した。

1軍で活躍する姿を届けたい人もいる。「来シーズンは恩返しができたらいいなと思います」と顔を思い浮かべたのはソフトバンクの小久保監督だ。

10月のフェニックスリーグの時には、水谷が万波のように活躍できるかという質問を受けた同監督が「万波ぐらいは振れないかもしれないけど、練習では“ツボ”に投げてやると面白いほど長打を連発する。今やったら(1軍で)ちょっと勝負できるぐらい。あとは1軍投手のキレ(への対応)じゃないですか」と期待のコメントも残していた。

来季、1軍でプレーできれば、熱心な指導を受けた同監督とも再会できる。「(ソフトバンク→阪神)大竹さんや(DeNA→中日)細川さんのように1年目から現役ドラフトでブレークという形が理想。まずはスタートラインに立てるように」。目標の選手はヤンキースのスタントン。ロマンあふれる規格外の打球を飛ばし、北海道で覚醒する。【木下大輔】

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