阪神森下翔太外野手(23)がリーグトップタイの4号を放ち、大勝への流れをつくった。「風も逆の風ではなかった。いい感触だったのでいくかなと思いました」。2-0の3回1死、中日先発メヒアの6球目、低めのスライダーをすくい上げた。打球は風にも乗って軽々と左翼スタンドへ。久しぶりの3点目に、甲子園の観客も大喜びだった。

前夜まで10試合連続で2得点以下。「2点の壁」を破ったのも、勝負強すぎる23歳だ。17日に決勝打、18日に同点打と3日連続の活躍。顔をほころばせたのは阪神ファンだけではない。岡田監督も「いやいや、2点とってね、ずっと2点が続いてたんでね、おーん。ベンチでおー3点目入った言うてたんですよ。ええ」と手放しでたたえた。

勝負強さの秘訣(ひけつ)は、目の前の1対1に集中すること。「1試合1試合切り替えて課題を持って、相手のピッチャーをどう打ち崩すか考えている」。この日の相手先発は13日に対戦し、3打数無安打に抑え込まれたメヒア。「前回はやられてたので、それも踏まえながら、1打席目終わってみて、また自分の中で整理して臨めたのがよかった」。遊ゴロに倒れた初回からすぐに切り替え、大きなアーチにつなげた。

この日は先輩の大山にも待望の1号。「ここから乗ってくれると思うので、その前に自分がランナーで出ればかえしてくれる」。1発も、つなぎもある、猛虎打線らしさが見えてきた。「取った後の次の1点をどう取るか、明日以降の試合も続けていけば、タイガースらしい野球になると思う」。このまま本領発揮だ。【磯綾乃】