阪神大学野球連盟の1部リーグでは初の「大谷ルール」適用となった。甲南大の正重（しょうじゅう）恒太内野手（2年＝報徳学園）が「4番投手兼DH」で先発。投げては公式戦初先発で8回途中3安打1失点で初勝利。打っては1安打1打点と投打で活躍した。

指名打者制で運用されている同連盟。先発投手が降板後もDHで出場できる通称「大谷ルール」は昨春導入した。しかし1部リーグでは適用されたことがなく、正重が初のケースとなった。

1回表1死二、三塁。1球目に相手投手の暴投でいきなり先制点が入ると、1死三塁から左前に適時打。「落ち着いて打てた。タイムリーになって良かった」と自らを援護した。

投球でも抜群の安定感を誇った。大体大打線に対して7回まで得点を許さず。8回の先頭に安打を許して降板したが、8回途中3安打1失点。降板時にスタンドから拍手が送られると、自らもグラブをポンポンとたたいた。「初回に自分で打てたので投げるほうも乗っていけた。満点でした」と笑顔だった。

連盟では1部初の「大谷ルール」適用。正重は2年生ということもあり、「シーズンはまだまだあるので、新たな歴史を作れたら」とにやり。投手としては公式戦初先発で初勝利。打っても1安打1打点と存在感は大きい。「今後もこのスタイルでやっていきたいので結果が出せて良かった。最終節も投げて打って勝ちたい」と二刀流全開を望んだ。